カテゴリー: 作家オンステージ

幸田 玲: 夏のかけら – ストーリー・ビハインド・ストーリー

幸田 玲: 夏のかけら – ストーリー・ビハインド・ストーリー 著者オンステージ期待の作家として、幸田 玲さんをご紹介します。

幸田さんは、インディー作家として数々の小説投稿サイトで果敢に活躍されています。

作品累計で60万PV達成し、2017年10月~翌年3月末まで、「Kindleストア : Prime Reading : 小説・評論」部門に『夏のかけら』が選ばれ、掲載されました。

今回は、その『夏のかけら』の裏側のストーリーを語っていただきました。

この機会に手にとって見てください。

本のあらすじ

工務店に勤める石田達也は、二年前の夏に恋人の千尋を不慮の事故で失い、喪失感を味わう。

ある日達也は、親友の山中虎太郎から連絡を受け、見込客を紹介されることになった。

虎太郎の店『バー・エリック』で田所綾香を紹介され、達也は店舗リフォームの件で綾香と関係を持つことになる。喪失から再生への物語。

幸田 玲: 夏のかけら – ストーリー・ビハインド・ストーリー

『夏のかけら』の小説は、一見、恋愛小説に見立てた筋書きですが、この物語には「家族の在り方」の問題が孕んでいます。

夫婦は離婚すると、日本では単独親権制のもとで子どもの親権はどちらかの親が持ちます。多くは母親が親権を持つ場合が実情のようです。

離婚後、親権を失った片親は思うように子どもと会えなくなるケースが多くあります。

子どもと会えなくなった別居親は、極度の喪失感からアルコール依存症に陥ったり、あるいは自死に至る場合もあるようです。

国際結婚の場合でも、共同親権制度の国の相手方との紛争の種になっているようです。

この物語の主人公、「石田達也」は恋人を不慮の事故で失い、一方の「田所綾香」は、幼少のころに両親が離婚して父親との交流を絶たれます。

ふたりは「喪失感」を抱えながら出会います。

シリーズ作品の気になる一場面・・・

五月の初旬、石田達也の携帯電話に『バー・エリック』の店長を務める、山中虎太郎から連絡があった。

虎太郎は高校時代のクラスメイトで、達也の親友であった。

ひさしぶりに聞く虎太郎の声色には弾むような響きがあり、達也は元気そうな印象を受け取った。

「月曜の七時ごろ、俺の店に来いよ。住宅のリフォームの件で会わせたい人がいるんだ」

「月曜日の夜……たぶん、大丈夫だと思うけど。相談に来る人って、年配の人?」

「いや、若い女だ」

「若い女性かぁ……。誰かと一緒に来るのかなあ」

「さあ、どうかな。そこまでは訊いてなかった。ところで最近、リフォームの仕事は忙しいのか? たまには、顔ぐらい見せろよ。店に来なくなって、一ヵ月以上になるだろ。水臭いやつだなぁ」

「突貫工事でバタバタしていて、依頼の図面もたまっていたから、忙しかったんだ。最近、ようやく落ち着いてきたよ。なかなか、店に行けなくてごめん」

「そうか、別に気にするなよ。忙しいとは思っていたけどな。まぁ、詳しいことは、店に来てから話すから……」

やり取りの終わりに、「達也、月曜日に待っているからな」と言い残して、虎太郎は通話を切った。

読者レビューご紹介

オクチャン様

恋人の事故死からやっと立ち直った男。恋人に似ている女性にめぐり逢い恋に落ちるがその女性はファザコンから抜け出せない。

ツイッター歴6か月。何という幸運か、作者ご自身から背中を押されて、アマゾンのキンドルをダウンロードして、ようやく気になっていた作品を読めました。最初に選んだこの「夏のかけら」は予感以上に、すべてにおいて、震えのくるほどの感動を覚えました。

主人公の男性は恋人を突然の交通事故で失い、そのショックの大きさで精神を患ってしまった。 親友の助けで立ち直ったところで、その親友が失った彼女に似た女性と引き合わせてくれた。

然し、その彼女は両親の離婚から、重度のファザコンになり、亡くなった父親の面影を見出せる男性にしか安住出来ない。

夏のバリ島で壊れた恋の「かけら」を拾い集めて、主人公の男性はどうやって復元するか、それには彼女をファザコンから成熟した女性に生まれ変わる妙薬を見つけなければならない。

二人の相手に対する心遣いを見ていれば、いずれ、「かけら」はより強く結びつき完璧な恋を成就する。

幸田 玲: 夏のかけら

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