情報整理 4つの法則: 誰も教えてくれなかった究極の知識管理のルール
今日のタイトルは誰も教えてくれなかった情報整理の4つの法則というものです。情報や知識の整理には、「4の法則」が存在すると言います。一体それはどういうことか、その核心を探ります。
目次
なぜ、このようなタイトルにしたかというと、これまで私自身タスク管理の失敗の経験からきています。
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これまで、毎日の仕事をいかに効率的に期限に間に合わせかというタスク管理を、いくつも試してきました。でも、遅かれ早かれ、その努力は破綻するという経験をしてきました。
実際に、私たちは毎日の仕事に追われています。期限はどんどんと迫ってきて、そしてこれまで集めてきた、あるいはその仕事に必要な情報もあふれ返り、情報過多という状態になっています。
そして、次第に整理がつかないという状態になり、最後には情報整理のためのプロジェクトやタスク管理というものを立ち上げたりしてしまいます。
さまざまなタスク管理アプリやプロジェクト管理アプリなどを使い始め、それぞれのアプリを使い込み細かく設定して対応しようとします。でも、いずれは時間の経過とともに破綻してしまいます。この繰り返しと言えるのではないでしょうか。
ここ2年ほど前、私はセカンドブレインというグローバルなナレッジ集団に参加しました。そして、大きな衝撃を受け、数々の気づきがありました。そういった中から、この4つの法則が見えてきました。
これは、次の4つです。
一体それはどういうことか、詳しく観ていきましょう。
まず第1に、情報の整理をするにあたって整理のフレームワークがなければならない、という点です。そして、それを前提にして全体が動いていかなければいけないということです。
2番目に、それには目標と期限が組み込まれている必要があります。常に変化する目標や期限に柔軟に対応できなければいけません。
例えば、月次や週次の目標、あるいは半年の目標など、目標は目まぐるしく変わり、期限も新しく設定されていきます。そういった変化に対応するものでなければなりません。
3つ目として、行動、アクションの必要性によって管理するという必要が出てきます。プロジェクトとそれに必要な情報、それから期限というものが全て同時に管理されなければならない。
そうしなければ、情報の管理も期限の管理もプロジェクトの管理も別々の扱いとなってしまい、いずれは破綻してしまいます。
そして4番目としては、管理として現在進行中のプロジェクトと常にリンク付けられていなければならないという点です。
プロジェクトには、必ず期限があります。期限に対応して仕事ができるように、情報の整理も常にアップデートされていかなければいけないということです。
さらにその中には、要求されたアウトプットに必要な情報とアクションがが網羅されていなければなりません。このように、さまざまな要素が同時に組み込まれていなければいけません。
こういった情報の整理の枠組みですが、例えば週次であったり、あるいは月次であったり、あるいは数週間といったインターバルで常にアップデートできるようなものでなければいけません。
またこれは、長期間に渡っているかもしれません。例えば、半年あるいは1年であるとか、あるいはもっと長いかもしれません。ずっと長い期間にもわたって継続的に管理をされていくようなものの一部として全体を管理をしながら、その中からプロジェクトが生まれてくる必要もあります。
また同時に、プロジェクトは期限があります。いついつまで期限に何らかのアウトプットをしていく、結果を出していく。そのプロセスに流動的に組まれているフレームワークでなければいけません。
そこには、期限があること、アウトプットの目標があること。そして、そこに集められた情報は、今現在必要なものなのか、今後、将来に渡って必要なものなのか、そうでないのか。そういった組分けも必要になってきます。
これまでの情報整理の問題点は、この定義が非常に不明瞭でした。どのような目標のカテゴリーなのか期限なのか。毎日のアクションはどうするのかということについて、全体的な枠組みがなかったわけですね。
まず、最初に全体の枠組みを定義をして、そこの中により細かい条件で中くらいの枠組み、小さなプロジェクトなどに落とし込んでいく、あるいは継続するプロセスに組み替えていくのです。
長期的な目標の枠組みが、同時並行で進んでいかなければいけません。そして、その場その場で期限に追われて処理をするということではなく、あらかじめ自分が設定した枠組みの中で毎日のアクションが起こっていくということです。
こういったことをタスク管理アプリ、あるいはプロジェクト管理アプリなどで個別に対応していこうというのがこれまでのアプローチでした。
しかし、これを情報管理、知識管理とともに同時に行うにはどうしたらいいのか。さまざまなアプリを別々に使っていく。あるいはカテゴリーやタグでで整理したり紐づけていこうとすると、どうしても無理が出てきてしまいます。
そこでより。全体的で統合的、そしてホリスティックなアプローチが必要となってくるわけです。
こういったもののひとつにGTD(Getting Things Done)という、デイビッド・アレン氏のアプローチがあります。しばらくの2001年頃に非常に有名になり、多くの方がこの手法を取り入れました。(日本版: 全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術)
しかし、この考え方で1点欠けているのは、情報をどのように管理していくのか。ツールを使っていくのか。デジタル化された中で、アプリケーションとの連携などをどう行っていくのか、という点については。時代背景もあり、現在のデジタル化には対応できていません。
アップデートされてきてはいますが、デジタル化された情報やプロジェクト管理という点については、一貫した発想というものがこれまではありませんでした。
これをデジタル化、AIなどの最先端などのテクノロジーと組み合わせて、一体どのようにしたらうまく運用していくことができるのか。
それによって、自分の脳の活動、それからクリエイティブな処理、あるいは毎日、毎日の活動のモチベーションをいかに高めていくのか。これらと連携して動いていかなければいけません。
ここで、本題の最初のタイトルです。「4つの法則」というタイトルをつけましたが、この4つという点にはとても重要な意味があります。
なぜかというと、私たちが考える時、思考する時にはワーキングメモリーと呼ばれる短期記憶を使います。これは長期記憶の中から自分がその時に使う情報を呼び出してきます。それを組み合わせたり、あるいはいろんな形で変形させたり、展開しながら新しいものを考えていくということになります。
このワーキングメモリーで扱える量というのが認知心理学ではこれまで7±2と言われ方をしていました。これが最近の研究では4つのチャンクというふうに言われています。よく4つの知識の固まりですね。
人間の脳は、ワーキングメモリーにそれ以上の数の情報を取り出して一度に扱うことができないということです。
つまり、たくさんの情報を忘れないというアプローチではなくて、それを絞り込んで最小限にしていく必要があります。4つに絞り込んでいていく。一度に処理をする、一度に考える対象の数を限定して、その中で深く多くを考えていくというアプローチが必要なのです。
さて、ここでセカンドブレインという先程のアプローチでは、すべての情報をPARAと呼ばれる4つの大枠であるカテゴリーで整理していきます。この中で、期限、目標、行動性、そして継続的な管理を同時に扱うことができます。これ全体的なフレームワークとして整理していこうという考え方です。
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PARAとは、プロジェクト(Project)、責任エリア(Area)、リソース(Resource)、アーカイブ(Archive)の頭文字をとった略語です。
それぞれを説明していきましょう。
プロジェクトとは、期限とアウトプット行動というものが全て管理できるような今現在進行中の仕事と紐づけるということを目的とした分類です。あらかじめ決められた期日までに決められた仕事をアウトプットする必要があります。
責任エリアですが、これは自分が将来に渡って継続的に維持していく目標や品質レベルというようなものを前提としています。
例えば、プロジェクトが来週末までにどのようなプロジェクトを完成させるかというのに対して、責任エリアは、たとえば自分のファイナンスをどのようにしていくのかといったことです。
具体的には、3月15日の申告期限のある税務申告書はプロジェクトですが、お金を管理する個人のファイナンスには期限がなく、継続的に一定のレベルを目指した責任エリアです。
この2つ以外のところの情報、つまりプロジェクトにも紐づけられないし、一定の責任エリアとも結びついていない情報は、リソースというカテゴリーに組み入れられます。より全般的な情報と言うことですね。
そして、これら3つのどれにも該当しないものがアーカイブです。アーカイブ化していくという言い方をよくしますが、いわゆる書庫という日本語で言ったら、文書の倉庫とかというような意味もあります。
例えば、既に終了したプロジェクト、今後、すぐ使う必要のないようなものですね。そういった近い将来利用されないような情報もここに入ります。また保留になったプロジェクトも、その中には入るかもしれません。
しかし、プロジェクトが復活すれば、これはプロジェクトやエリアにまた戻ってくることになります。こうして、常に変化に対応することができる枠組みを、まず最初に持つ4つことが必要です。
こういった4つの法則というものを使いながら、シンプルに情報知識を管理しながら、毎日の行動と期限とひもづけていく。こういった。枠組みの中で動いていく必要があるんだということですね。
第1の重要な点は、シンプルで毎日の習慣として実行できるものであること。そして、これをいくつかの強力なアプリの組み合わせで可能にしていきます。
一つで情報管理が全部できるアプリは未だ存在しません。新しいアプリが出てきて、いろんなことができるようにもなってきていますので、近い将来には可能になってきます。実際に、NotionやRoam Researchのようなものがいくつか出てきています。
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また、幾つものアプリを使って必要以上に複雑にしていく必要はありません。なぜなら。ば、複雑なものは継続できないからです。
自分が納得して、自信を持って継続的に使える枠組みとシステムを作っていく。この情報はどこに入れておく。ここに置いておけば、この方法であれば、いつからでも後からどのようなすぐに取り出すことができるという、信頼のおける方法論やフレームワークでなければならないということですね。
そして、自分が気に入ったカスタマイズできるものでなければなりません。 なぜならば、知識管理に要求される条件は、一人一人の好みの違い、状況の違い、その時々の要求に沿った、柔軟なものである必要があるからです。
こういったものを前提としたアプリケーションをもし使おうとすれば、Evernoteであったり、Notionであったりといったアプリが知識を管理する全体的な機能を提供してくれます。
Notionは知識管理だけではなくてプロジェクトを管理したり、あるいは期限を管理したり、タスクを管理したりする部分も強力です。
これを補完するTODOアプリでは、例えばTodoistであったり、Trelloであったり、Thingsといったアプリを組み合わせていくことが考えられます。
こうすることにより、高度な知識管理やタスク管理、プロジェクト管理が可能になってきます。さらには、ジャストインタイムや、アジャイルとかスクラムとかいったチームでの仕事やプロジェクト管理のアプローチを、どんどんと個人のプロジェクト管理にも使うことができるようになっていきます。
また、野中郁次郎や竹内弘高さんが知識創造企業やワイズカンパニーで言っているようなSECIモデルといった、知識を活用しながらチームでイノベーションを起こしていくというモデルも、個人レベルの知識ベースを育てていくことでチームや企業に貢献できるようになっていきます。
はい。ちょっと今回長くなりましたが。知識管理という観点から情報整理の4つの法則という考え方についてお話をさせていただきました。
はい。では、次回の配信をお楽しみに。