徹底比較 : 紙の本 vs 電子書籍
電子書籍が世界的に大人気となる始まりとなった2007年のKindleの登場から既に10年以上、2012年の日本上陸から5年です。最近は、スマホでマンガを楽しむ人が激増しています。日本の本好きの間でも、電子書籍は読書のメディアとして受け入れられつつあると言えます。
そして最近では、2016年8月の読み放題サービスのKindle Unlimitedも登場からも1年が経過し、15万タイトル以上が月額980円で定額読み放題です。本好きにはますます魅力的な読書の機会が増えているのです。
しかし一方では、紙の本が読書の中心的存在であることに変わりありません。「紙の本でなければ本ではない」や「やっぱり紙の本」という声も根強く聞こえてきます。
電子書籍の窓が2017年に行ったアンケートでは、電子書籍が集まるサイト読者は「紙の本」と「電子書籍」のどちらもあり、という回答でした。
これに対し、Twitterの読者にアンケートを行ったところでは、紙の本が過半数を占めました。
一体、どちらのほうが読書に向いているのでしょう?電子書籍がキンドルストアなどで始まった当初は、専用の電子書籍リーダーやタブレット端末がなければ電子書籍派読めないといった印象があったような気がします。
このため、電子書籍派何か特別なもの、オタクが飛びつくものといった雰囲気があったかもしれません。
筆者は米国アマゾンでKindleが始まった頃からのKindleユーザーです。当時、英語の本をアメリカから取り寄せるよりも、配送料もかからず早く割安に手に入るのが大きな理由でした。それが、日本でKindleが始まって以来、電子書籍によって読書の量が一気に増えました。
人生の大きな転機にさしかかり、これからの方向を見失っている時にふと一冊の本が目に止まりました。そして、肌身離さず持ち歩いているスマホで、大好きなジャンルの長編小説を位置や場所を問わず読みふけりました。そしてこのスマホ読書の体験をきっかけに、電子書籍への考え方が一変したのです。
誰もが本という存在と、本を読む時間について独自のプライベートな感覚や意見を持っています。これは、電子書籍という全く新しい本読み方が選択肢に加わって大きな議論を巻き起こしています。
紙の本と電子書籍。いったい何が違うのか。今回、改めて比較してみました。
目次
まず最初に、紙の本が電子書籍よりも優れている点です。
これは、多くの人の人生で一番大きなイベントの一つ、受験勉強を取ってみても分かります。私が住んでいる周りの公共図書館の勉強室やはやりのコーヒーショップでは、受験勉強や資格試験の勉強をしている人を数多くみかけます。しかし、電子書籍で受験勉強をしている人は、未だかつて見たことがありません。
新品の本であれば、独特の匂いがして本を読んでいるという実感がわきます。からだの五感が本を覚えていると言えます。
これまで慣れ親しんできた紙の本ですが、万能というわけではありません。その欠点も考えてみる必要があります。
本屋さんでは、人件費、賃貸料、照明などの費用などなどがかかります。ですから、こういったコストを回収するためには、数が売れない本は本屋さんには置いてもらえません。
一定の時間が経過した売れ残りは、出版社や取次と呼ばれる中間業者の倉庫に返品されます。また、せっかく出した本も増版されず絶版となり、売れ残った本は最終的には廃品回収されます。紙の本がいかに贅沢かが分かります。
このため、持ち運べる数が限られます。また、汚したり、紛失したりすることもあります。古くなった蔵書を紐解くと痒くなる、あるいは虫に食われているという問題もあります。
また、平積みされた本も売れなければほとんどが返品されて、一部が書棚に並びます。それでも売れない本は倉庫に積まれ、やがて裁断されて再利用のために回収されます。
こうなると、それ以降は物理的には存在しないため、在庫の検索や図書館で探すことになります。また、絶版となったものは再度出版される事はほとんどありません。
しかし、これは書誌と呼ばれる書籍名、著者名、書籍の番号など、一部に限られます。アマゾンで検索できるのも、これと販売ページに書いてあることだけです。
アンダーラインを引いたり、マーカーでハイライトした部分など、自分で写し書きするしかありません。また、本の中にあるURL(ホームページやサイトのページヘのリンク)をクリックして開くこともできません。
これはインターネット時代の情報へのアクセス上、非常に困ることです。
2000年ころの規制緩和の議論の中で、この問題は棚上げにされ継続的に検討するとされましたが、現在でもそのままです。(再販適用除外制度の見直し – 公正取引委員会)
この100年以上にわたって慣れ親しんできた紙の本に、電子書籍という新しい選択肢が加わりました。電子書籍自体は、パソコンが普及し始めた頃から騒がれていたので決して新しいものではありません。(電子書籍の歴史)
それが、2012年アマゾンが日本でKindleと呼ばれる電子書籍の書店をオンラインで始めたところで大きく変わりました。(【速報】アマゾン、キンドルついに日本で開始)また、ここ数年のスマホやタブレット端末の普及で一気に身近になってきました。
毎日、いつでもどこでも持ち歩き、Lineやゲームをしているスマホで今すぐ本を読むことができるのです。当初はアマゾンを黒船襲来と呼び騒いでいた出版社が続々と参戦しています。出版部数も飛躍的に増えて、一部の物好きだけのものが、今どんどんと広まってきています。
では、この電子書籍という代物、いったいどんな点が優れているのでしょう?
新聞や雑誌の販売部数は、インターネットの普及とともに減少してきました。本も同じです。(本や雑誌の部数の推移)文章を読むという行為が、紙の上から画面(ディスプレイ)に置き換わり、スマホがこれを一気に加速させています。通勤電車や病院の待合室で新聞や雑誌を読む人が激減し、スマホに夢中の人に置き換わったのです。
手元のスマホから簡単な操作でダウンロードし、いつでもどこでも、その場ですぐに大好きな本を読み始めることができます。また、夜中の真っ暗なベッドの中で読書を楽しむことさえできます。
これは、アップルがiPodという音楽プレーヤーを世に出した時と似た状態と言えます。iPodの出現で何全曲という音楽を持ち歩き、いつでもどこでも音楽を楽しめるようになりました。これをきっかけに、音楽を聞くという習慣自体が変わりました。(音楽業界、出版業界、新聞業界で起こる地殻変動)
その後、CDを見ることは少なくなり、レコード屋さんも見かけなくなりました。今やiPodの音楽プレーヤーとしての機能は、スマホ機能の一部となってしまいました。電子書籍もスマホの無料アプリで、簡単に読むことができます。(Kindle読書アプリ)
また、重版として印刷されないために在庫切れとなることも、人気がないからと言って絶版となることもありません。
パソコンの登場で少しずつ変化していたものが、スマホの普及で一気に変わろうとしています。デジタルで作ってデジタルで流通する、そしてスマホなどのディスプレイで読むのが一般的になります。何よりも、読む人が紙で読まないのですから、電子化して流通するしかありません。
しかも、クリス・アンダーソンがロングテールやフリーという言葉でインターネット時代がもたらした変革を解説したように、デジタル化されたものは限りなく無料に近づいていきます。これが、独禁法の特例以外に電子書籍が無料で販売されるもう一つの理由です。
国語や外国語の無料の辞書機能、翻訳機能、本のコンテンツや語句に関連した情報をインターネット上と関連付けて呼び出す機能など、様々な読書をさらに楽しむ機能がたくさんあります。本の全文検索や多数の本を同時にクロス検索することもできます。世界中の書店から検索して本を買い、すぐに読むこともできます。
このネット時代に、紙の本と電子書籍には、圧倒的なスピードと情報処理の差があるのです。何よりも、スマホで無料で読めないコンテンツが、あなたの目にとまる機会が減るのは、とても自然なお話だとは思いませんか?
また、紙の本よりも記憶の点で劣るのも大きな欠点ではありません。幼少期からトコトン教育された世代にとって、紙の本が記憶に向いているのは当然です。しかし、紙の本はデジタルな情報処理では圧倒的に不利です。
近年、教育が記憶から創造性へとシフトしています。また、仕事もデジタルな情報処理が求められています。
紙の本は、もともとデジタルでできた本の原稿を紙に印刷します。それをマーカーをしたものやメモを紙に書いて、それをパソコンで打ち込んでデジタル処理しなければいけません。
また、今では毎日の生活に当然となったネット検索。本の中身が全文検索できないのは、不自然だけでなく非常に非効率だと思いませんか?これからの時代の創造的な教育や仕事には、ほとんど無理に近いと言えます。
電子書籍は、この特例の対象ではありません。(電子書籍は,著作物再販適用除外制度の対象となりますか。)ですから、出版社も個人でアマゾンで本を出版している人も、自由に価格を設定できます。同じ書籍でも、紙の本より電子書籍のほうが安いのは常識となりました。
定価の紙の本が、あえて電子書籍で無料で販売されることも少なくありません。無料や割引価格のキャンペーン、日替わりや月替りのタイムセールも常に行われています。これは、今後の圧倒的な差となって現れてきます。
AmazonのKindle Unlimitedでは、15万冊以上のタイトル(Kindle Unlimitedサービス開始から11カ月経ったので、ラインアップをジャンル別・出版社別に時系列で比較してみた)から自由に選んで「その場」で「今すぐに」本を楽しむことができます。
これらの登場で、月額課金に加入しさえすれば、登録されたリストから何冊読んでも追加コストの心配なく思う存分に読むことができます。本屋に出向いたり、オンラインで買って宅配便を待つことから開放され、いま歩で選んでタップするだけで、すぐに読み始めることができます。この気軽に読める点は非常に大きなメリットです。
文字の大きさ、画面の大きさ、明るさ、背景色を読みやすく設定できます。これは、読み手にとって非常に好都合です。視力が弱ければ文字を大きくできますし、夜暗いベッドの中で明るさを調整して読書を楽しむこともできます。
そうは言っても、電子書籍に欠点があるのも事実です。それをリストすると次のようになります。
紙ではないのですから、諦めるしか無いのかもしれません。これは、音楽好きのマニアが、今でもLPレコードをダイヤモンドの針と真空管のプレーヤーで聞いているのと似ているのかもしれません。
この一方で、Kindle端末など、電子書籍専用のリーダー端末ではEインクとよばれる紙の印刷と同じような技術で画面表示することができます。これがあれば、目にやさしい画面で長時間な読書を心いくまで楽しむことができます。
この点に関しては、拙著「Kindleで人生2度目の読書三昧: 素晴らしい読書体験が手に入る!
いかがでしたでしょうか。今やKindleなどの電子書籍が続々と出版物として登場しています。これまでの違和感がある、紙の本でなければ本ではない、読みづらい、一部のオタクのもの、といった状況が大きく変わりつつあります。
新しいテクノロジーや製品が一気に普及期に入るときには、圧倒的な価格差とそれまでとは全く違う利便性が必ずあります。
「スマホなどですぐに読める」「フリーの時代に合った無料や割引価格」「デジタル機能で便利」などの特徴が益々多くの人の目に止まり、ファンが増えています。また、本の著者や出版社も無料や割引キャンペーンなどをうまく活用することが受け入れられるようになり、紙の本とは全く違った価格体系とマーケティングが始まっています。
本を読むとは、いつも使い慣れたスマホやタブレットでタップして、サクサクとページをめくることと同じになりそうな予感がします。少なくとも、朝届く新聞の代わりに通勤電車でYAHOO!アプリでニュースを読んでいるわけですから。
紙の本以外は本を読まないという人は、近年ではガラケーと呼ばれる携帯電話がスマホに置き換わったように、時代から取り残される運命に有るのかもしれません。
あなたはどう思いますか?紙の本と電子書籍、どちらのほうが優れていると思いますか?是非、下のコメント欄にあなたのご意見をお寄せ下さい。
画像クレジット:Thomas Leuthard
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コメントを表示
紙の本の欠点が木を切らなければいけない?
現実見てください~!
むしろ今の日本の現状をみれば、木は切っていかないと勿体無い事になりますよ。……と、高弁垂れていますが、電子書籍は持ち運びに便利ですよね。
でも、個人的には紙媒体のほうが読みやすいので、どちらもありですね。速読するなら紙媒体に一本!
この記事に記載されている電子書籍のデメリットが
全然デメリットでは無い気がします。
また、本当のデメリットの検討がされていないように思いました。
>一枚一枚めくる動作
そもそも不要な動作と言える。
やりたいことはページを進めることなので
この動作が簡易であるほど良いと考えると
めくるよりもスワイプするほうが良い
>見開きの左右の厚みで読書の進み具合が一目瞭然
ページ数表示で十分。
定量的な表示でより鮮明に分かりやすい。
>新品の本を開いた時の何とも言えない記憶に残る紙の匂い
本に匂いを求めているという前提そのものがおかしい。
記憶に残るというが、どの本を買っても同じ匂いであれば
だから何?というレベルの話になる。
>重くてずっしり、手にした感触から得られる満足感
重いことの何が良いのか全く論理的ではない無理やりすぎる解釈。
軽い方が長時間手に持つことが可能で疲れにくく携帯性に優れ
どう考えてもメリット。
>様々な色のマーカーでハイライトする独自の勉強方法(以下すべて)
電子書籍非対応機種での閲覧を前提にしている指摘。
対応機種ではすべて問題なく可能。
この記事で触れられていませんが
電子書籍の最大のデメリットはコストの高さです。
何らかの機材が必要になり、より良い環境で読むためには
専用機を買う必要があります。
この専用機は本1冊と比べると圧倒的に高いです。
その高い初期コストに加え、デジタルデータ(電子書籍)を買うための
費用がかかります。紙に比べて割引がある場合があるとはいえ
初期コストをそこで回収しきるためには何冊もの本が必要になるでしょう。
とてもよくまとめられた文章であるとは思いましたが、電子書籍のメリットに重複部分を作ってかさを増していたり、逆にデメリットで複数に分けられる箇所を一項目にまとめてしまっていたりと、電子辞書支持者寄りの文章である部分が見受けられました。困難なこととは思われますが、「徹底比較」という煽り文句をつける以上、主張以外の部分では、両者の主張を汲んだ書き方をされるのが適切だと思われます。
ちなみに私は電子辞書よりも紙の本の方が好きです。
意義あり。
紙の本の最大のメリットは逆にコストがかからない。
図書館で借りられる(リクエストで最新の本も入荷してくれます)し、所蔵したければ中古で安く買える。
逆に紙の本の最大のデメリットは、数が増えてくると保管場所にかなりのスペースがとられること。
これらの点は外してほしくなかったな。残念。
ゆうさま
コメントありがとうございます。ご指摘の点は確かにそのとおりです。図書館やブックオフとの関連につきましても範囲を広げて行く必要がありそうです。今後のUpdateで反映されていただきます。
一方で、Kindle Unlimitedなどの月額課金で読み放題という選択肢もあります。もちろん、公共の図書館であれば無料で貸出できますが、有料で利用できる電子書籍の図書館のような位置づけかもしれません。また、少しずつですが、公共の図書館も電子書籍の貸出をすることろも増えつつあります。電子図書館というものですね。貸出可能なタイトル数など、比較対照する項目もありそうです。電子書籍であれば、公共図書館の時間外であっても、その場で貸りてすぐに使えます。
購入の価格も電子書籍がブックオフなどの古書で安く購入するものよりも必ず安いというわけではありません。一方で、キャンペーンなども含めて、無料で手に入るのは電子書籍の方が多そうです。
などなど、議論は続きそうですね。ご参加ありがとうございます。
大山
良いテーマを提供して頂き有り難うございます。
教育や勉強、研究のためには紙ベースが良いという諸外国の研究結果や、日本でも東北大学による大規模調査(スマホ利用時間と成績)などから明らかになったのは、長い文章を読む、構造的に理解する、内容を記憶するなどではスマホは向いていないということだと思います。
若者中心に紙の読書を敬遠する傾向は知的トレーニング、物事に対する理解力に問題を生ずるという点は極めて重要ではないでしょうか。
私は極端ですが、スマホはたばこなどと同様18歳までは持たせないとか、高校までの教育では紙ベースの長大な資料を読みこなす経験を必須にするなどしないと、将来の国民の知的レベルに大きな弊害が出ると思います。
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、紙の媒体を読むことによる効果が電子の媒体よりも人間の記憶や創造に適しているのは事実のようです。
一方で、紙ベースの学習については、私自身はあまり心配していません。というのも、電子ベースでの学習も検討されつつありながらも、学校での勉強は引き続き紙が中心です。また、私自身の周りに多くの受験者や学生がいますが、彼らも学習の中心は引き続き紙の本です。
ただもう一方では、電子化されたナレッジのデータを処理することによる効果が紙のデータとは比較にならないほど処理の能力が高いのも事実です。例えば、紙の本で読書をして気がついた点などを紙のノートにメモ書きしたものをあとから処理する場合と、一例として、電子ベースの読書でハイライトやメモなどの機能を使って処理した場合、最初から電子化したデータを処理する方が、読書の記録やあとからの文書の創作活動に圧倒的に有利な点が挙げられます。
今回、紙の本か電子書籍かという比較としておりますが、回答の内容も非常に興味深いものです。多くの人が、電子書籍の利点をあげていますが、同時に紙の本の便利さに気が付き始めています。両刀使いありという方が非常に増えているのです。
そんな点も参考になればと思いました。あとからアンケート結果をこのコメントに追加しておきますね。
今回は貴重なご意見ありがとうございました。
大山
読む人たちそれぞれが”本から何を得たいのか”によって決めればいいと思います。
「紙」からは、情報にプラスして見える、触れるなどによる得られるものがあります。
「電子書籍」からは、情報のみ効率よく得られるます。
情報だけではないものを得たいのであれば紙にすればいいですし、
情報だけをただ得たいという人は電子書籍にすばいいと思います。
ただ、見える、触れるというメリットは人間である以上かなり大きいと感じてしまいます。
ですので紙はこれからも消えないと思います。
佐藤さま
コメントありがとうございます。
たしかに、私自身も紙に書きながら考える、あとから見て使うなど、紙ならではの効果は実感しています。
また紙も今後も消えないという意見には同感です。
同時に、電子書籍から得た知識をデジタルな処理をして活用するのも大きなメリットがあります。
両方をうまく活用できれば良いと思います。
今後も、その具体的事例など配信していきますので、そちらもご覧いただければと思います。
ありがとうございました。
大山
こういう場で意見を述べさせて頂く事に不慣れなものですから、もし不適切な表現がありましたらすみません。
私の職業はDTPオペレーターです。編集の仕事に携わり20年近くになります。持ち歩く通信機器は現在はスマートフォンです。この度タブレットの購入を検討するにあたりこちらの記事を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。結論から申し上げますと、私はやはりこれからも「紙の本」を愛読しようと思います。私は、古本屋や図書館へ出向きそこで本を物色し読みたい本を得る…その全ての工程が楽しい時間に感じます。本を探しに家を出るその一歩から読書の一部だと感じています。もっとも近年では電子図書館なるものもあり、古い書物もデジタルかされて安価で電子書籍として購入できますが、だからと言ってそのために一万円以上するタブレットを購入する気にはなれません。タブレットを購入する金額で安い文庫本やコミックスの古本が百冊前後買えちゃいます。それを思うと、タブレットを破損させたり紛失させたりしたときのことを考えると贅沢な買い物(私にとっては)に感じ、お金が勿体無く思えてきます。近所の古本屋で購入する百円から数百円の古本でも用は充分足ります。図書館で借りるならタダです。こんなありがたいことはありません。新書も、「読んでないと周囲の話題について行けない」とかそんな理由で急いで無理して読むわけではなければ、その内に古本屋や図書館に出てきます。なので数ヶ月我慢すればいいことです。エコに関してですが、細かいことを言えばタブレットも製造工程でのパーツの生成や加工や流通過程等色んな形で天然資源が使われていると思います。反面、出版会社や印刷会社は再生紙や大豆インキを使用することで製造工程を見直しエコを意識するようになって来ています。なので紙の本か電子書籍かでエコを問うのはナンセンスに思います。と言いますか…電子書籍か紙の本かでとやかく言うこと自体が今タイプしていてナンセンスに思えてきました。人それぞれ嗜好が違って当たり前だと思います。どっちがいいかとか共存とか、そんなのは窮屈に感じてきました。用途によって自分が好き勝手にアイテムを使い分ける…それでいいと思います。感想をタイプしていたら技術の進歩は人の思想や美徳を衰退させてるように思えてきました。いい機会なので何故「紙の本」と人との付き合いが長い年月続いてきたのかその理由を考えてみたいと思います。みもふたもないとりとめのない感想になってしまい申しわけありません。「紙の本 vs 電子書籍 – どちらが読書に向いている?」とのことでしたが、ビジネスで情報を得るためなら電子書籍は効率的だと感じます。だけど読書を楽しむという点では、断然紙の本です。本との出会いをあらためて考えると、ウェブショップからダウンロードして購入するよりも、書店や古本屋や図書館で好みの本を見付ける方が素敵で楽しいです。こたつ桜さんの「当たり前なんてこの世にないのに…。」という言葉に感銘を受けました。何かを省くことが必ずしも良いとは限らないのかもしれません。ある程度の実感ってものは人には必要なのかもしれません。余談になりますが、私はDTPオペレーターの仕事が長く、個人的な物書きもついでにみたいな感じでタイピングに依存してきたためか、たまに手書きで文書を書こうとすると字は汚く漢字も時々思い出せなくなってきています。その原因は手書きをしない私の怠慢のせいであり、このような症状は私だけなのかもしれませんが、デジタル化依存に不安を感じる今日此の頃です。生身の人間なのでやっぱり手に取った質感なども恋しいです。
興味がある内容だったので、色々考えさせられました。
私は、紙本も電子書籍も優れていると思います。
どちらが良くてどちらが悪いとかではないんですよね。
どちらも良い所があり悪い所もある。それでいいんです。それがいいんです。
と言っても、私は紙の本を愛しています。言い方が気持ち悪くてすみません。
私は、まだぎりぎり10代後半ですが、未だに携帯という電子端末を持ったことがありません。
スマホなんていうものも持っていません。周りにこういうことを言うと驚かれます。
私はパソコンだけで十分です。出掛けてまで、誰かとつながったり会話するというのが
私には疲れるんです。どうでもいいことを言ってすみません。
話が変わります。
今の学生は、電子辞書が主流になっていると思いますが、
私はそんな中で紙辞書を使っています。
先生には褒められたりしましたが、全然嬉しくありませんでした。なぜなら、
褒められたいと思って使っているわけではなかったからです。
紙のあのめくる音や匂いがたまらなく好きなんです。自分で言っていて気持ち悪いです。
電車でも私は紙の本を読んでいます。周りはスマホばかりですが…。
ここで勘違いしないでほしいんです。
紙の本を読んでいるから自分は優れている、偉いとかではないということ。
ですが、私は紙の本を読む人とそうでない人とでは何かが違うと思うんです。
ものを大切に思う心だとか、
人による手間暇かけられて出来たものに対する感謝の心だとかです。
私は本を買うときや読むとき、そこにどんな人の気持ちが込められているのだろうと
考えてしまうんです。私だけでしょうか。
便利になりすぎると、それが当たり前に思ってしまう。思えてしまう。
当たり前なんてこの世にないのに…。
お金があれば、何でも買えてしまう。そんな世の中。大切な何かに気付こうとしない人。
偉そうに言っている私も気付けていないことが沢山あります。
以上、雑談でした。
長く書いてしまいましたが、私は紙の本が好きです。
当方大学生ですが、電子書籍と紙の本の対比、非常に分かりやすかったです。この文章を読み、改めて電子書籍の良さに気付かされました。私は電子書籍派なので、これからも便利な電子書籍で読書ライフをエンジョイしていこうと思います!
ゆうさん、素敵なコメントありがとうございます。Kindle Unlimitedも始まってますます読書ライフが楽しくなりそうです。これからも読書三昧のための情報を配信していきます。よろしくお願いします。
なおさま
とても詳しいコメントをいただき有り難うございます。コレントをいただくというのは、いつでも、書く側にはとても貴重で参考になります。感謝です。
私自身、50代の年配の世代となりました。これまでのアナログの時代を生きてきた年代です。紙の本や古き好き時代のものにも愛着があります。ご指摘の共存という考え方には私も大賛成です。紙の本の読書をまったく否定しているわけではありません。
私のまわりにも介護に関わり、親と同居して忙しく働きながら楽しい生活を送っている人がたくさんいます。私が提示したかった視点は、新しく現われたデジタルな読書の利点とこれまでの紙の本の読書の比較をして、何が違うのか、何が私たちに恩恵をもたらしてくれるのかを明らかにしたかったということです。
私たちの家計が豊かになっていくときには、多くの場合には、社会の経済が豊かになっていく時です。古き良き時代にだけ留まるたけでは停滞してしまいます。これまでの日本の社会や経済がそうであったような気がします。新しい価値を生むものに目を向け、それを最大限に活用するには、素直に学ぶ姿勢が大事だといつも自分に言い聞かせています。
ありがとうございました。
紙は紙、デジタルはデジタルで両方をバランスよく使っていくのがいいと想います。 アナログ的なモノだけでもよくないし、最大の欠点は場所取りや、劣化などですが、デジタルしか選べないのもまた行き過ぎだと思いますし、小学生までもがみんなスマホを持っている・・・とまではいっていない。 もっとも、ガラケーはなくなりつつありますが、ネットは使い方によって超プラスにもあるいは逆に働くこともありうるモノと思うし、今のところ、デジタルは探しやすいかと問われれば、そうともいいきれなくて、例えば、携帯の電話帳だって、そこに入っているモノを適度に消去していかないと、わかりづらくなる。 デジタルもある意味同じかもしれない。 なんでも保管しておくと、どこに何があるのかわかりにくくなる場合がある。でも、確かに紛失はしなくなったりしますね。 アナログしかできない年輩の方には、今の若者はPC使いこなせてうらやましいというが、若者は嫌がおうでも、決してPCの超複雑なオフィス操作が得意ではなくても、人によっては何十万もして稽古に通う人もいたり。 決してデジカメも今は使い勝手のいいものではない。 もっとも、<私はガラケーなのでよくわからないが、スマホはPCよりいろんな操作性や使い勝手はいいよう。 けど、アナログは欠点だらけっていうのはいいすぎではないか? 少しずつデジタルにシフトしていくのはいいし、何より何万ものお金をかけてCDやカセットに費やした想い出を古い倉庫にいれて水没せざるを得なかった自分にとって、本当に本当に×100以上 デジタルで何千曲も場所をとらず、紛失もせずに聞けることはありがたい。だけど、これは消費者にはありがたいが、なんでも無料<会員制で有料のものは覗いて>で見られてしまうのは、一歩間違えれば、マスコミ界、それどころか、ロボットにより、なんでも機械化で無料はゆくゆくは人間から職業を奪い、いい方向には決していかないと想います。 ロボットは介護離職をなくしていくためにも必要だけど、人間の温かみも必要。けっきょく、デジタルとアナログはある程度共存したほうがいい。 あなたは結局、デジタルだけがすぐれ、アナログは超劣っていて、しかも情報はなんでも無料がいいと思っていることは、文章にものすごく現れています。