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Kindle誕生秘話の裏側: なぜKindleストアは生まれたのか?

Kindle誕生秘話の裏側: 今や世界最大となったAmazonのkindleストアですが、その誕生までにはさまざまな秘話が隠されています。そこには、ある有名な日本企業の製品が影響していました。また、同じ時期にAmazonの大きな変化がありました。その意外なサイド・ストーリーのお話です。

なぜ、Kindleストアは誕生したのか?

世界最大の電子書籍のオンラインストアのKindleストアは、2007年にアメリカで始まりました。

2012年には日本、イギリス、ドイツでも始まり、現在では世界14カ国でKindleストアが運営されています。インターネットに繋がっていれば、原則、世界中どこからでも電子書籍を購入できます。

このKindleストアの誕生までには、Amazonの裏側でいくつもストーリーが展開していました。

2004年のある日、Amazon CEOのジェフ・ベゾスはアメリカ最大の書店の祭典であるブックフェアを訪れていました。それまでには世界最大の「書店」としての確固たる地位を確立していました。

しかしそこには、彼を驚愕させる「あるもの」が展示されていました。それはある有名日本企業の製品で、Amazonの書店としての存在を根本から揺るがすリスクを秘めていました。

そしてこれは、その後のAmazonに非常に大きな影響を及ぼすことになります。

ベゾスは直ぐに行動を起こしました。ほとんどの日本人が知らないKindleストアの誕生秘話です。

しかしこれと時を同じくして、Amazonの内部ではその後のAmazonだけではなく、世界中のビジネスを大きく変貌させることになる事業の準備が進められていました。

Kindle誕生秘話の裏側: もう一つのAmazonの新サービス誕生秘話

今でも多くの消費者はAmazonをネット書店やオンラインストアだと思っています。

しかし、このインターネットの登場当時にオンライン書店として始まったベンチャー企業は、2000年のネットバブル以降にITサービス企業へと大きく変貌していきます。

この頃には、成功したeコマースのIT企業として米国ターゲットという大手の小売事業者などからもシステム開発の共同事業の依頼を受けるようになっていました。

しかし、それまで自社用に開発したインフラシステムでは外部からの要請に全く迅速な対応ができませんでした。

そこで2003年の夏、シアトルのジェフ・ベゾスの家でAmazon創業初期から補佐役であったアンディ・ジェシーは秘密の会議を持ちます。当初の30分の予定を大幅に延長して議論が行われました。

この場で結論は出ませんでしたが。しかしはっきりしたのは、それまで自社用に開発したインフラシステムでは全く役に立たないということです。

自社の将来の成長を支え、そして外部からの要請に応えるには全く新しいインフラシステムが必要でした。

当時のネット事業には膨大なコストが必要なサーバー群やデータセンターを開発する必要がありました。そのコストも時間も膨大です。どの連携企業もAmazonにその解決策を期待していました。

ジェフとアンディはその後も引き続き議論を重ね、その年の秋には膨大な市場があるのではないかという結論に達します。Amazonの社内ベンチャーとして正式に事業が始まります。

そしてその3年後の2006年8月からAWS (Amazon Web Services)が静かに始まります。最初はデータ保存やデータベース機能など、幾つかのシンプルな機能で始まりました。

なんのリリース発表もなく始まったのですが、すぐに小規模なベンチャーや開発者が大挙して押し寄せました。

そして顧客から多種多様な要望が数多く寄せられ、それに応えて次々と機能を追加し、今では200以上の機能を持つまでになりました。

このサービスは、その後、今では必要不可欠となったインターネット上のビジネスやショッピングに非常に大きなインパクトを与えることになります。

ほとんどの人が知らないAmazonの正体

AWS (Amazon Web Service)は、現在では世界最大のクラウドのインフラシステムとなりました。その次に並ぶIBM、Microsoft、Goolge3社のクラウドサービスを合計しても足りないほどの規模のクラウド上のインターネットインフラを世界中で提供しています。

一体これはどんなサービスというのでしょう?

それは「インターネットのOSのようなもの」だと言われます。これまはWindows、Mac、LinuxなどがコンピューターのOSでした。

ネット上で新規事業を立ち上げるには、膨大なコストや時間を費やしてサーバー群やデータセンターを構築することが必要でした。

しかし、AmazonのAWSがあれば、ほんのわずかなコストで誰でもが大企業と同じインフラを使うことができます。失敗しても損失は気にしなくても良い程度です。

その顧客のほとんどは個人の開発者や中小企業で、ITベンチャーのクラウドサービスが非常に多くここから立ち上がっています。動画配信サービスのNetflix、Uber、Airbnbなどといったベンチャー企業が事業インフラをこのシステムで創業し大成功しています。

現在の顧客にはアメリカ国防総省、CIAといった政府機関を始め、株式取引所のNASDAQ、そしてあのAppleのiCloud、iTunes、Apple Storeやジェネラル・エレクトリックといった大企業が名を連ねています。

特に面白いのは、2015年にCIAのシステム開発案件ではAmazonとIBMが競い、結局Amazonが勝ったのですが、CIAは2つの提案書の評価ではっきりとIBMをしのぐ性能であると断言しています。

このクラウドの流れは、それまでの30年間のIBM、Microsoft、Oracle、HPといった大企業を中心にしたIT市場を根本から覆す破壊的革命(disruptive innovation)と言われています。

しかしこのサービスが開始した2006年当初、ウォール街の投資家たちは、利益がないまま先行投資ばかりしているジェフ・ベゾスの大ぼら吹きだといって批判的な目で見ていました。IBMやMicrosoftも同じです。

10年後の現在、売上はAmazon全体の7%、営業利益の貢献率は68%(2015年)とまでなりました。まさに、Amazonの現在の原動力となっています。

つまり、私たちがオンライン書店やオンラインショッピングのストアとして使っているAmazonは、実は、クラウドサービスを可能にする巨大なインターネットインフラ企業だったのです。

KindleストアはAmazonが提供するクラウドサービス

さて、お話をもとに戻しましょう。

Amazonはオンライン書店として20年前に始まりました。そしてeコマースのショッピングストアでも成功し、その後、巨大ネットインフラ企業にまでなりました。

ここでサイド・ストーリーとして登場したAWSですが、この全く同じ時期にKindleストアが誕生しました。

実は、AWSとkindleストアには意外な共通点があります。面白い逸話がありますのでご紹介します。

1997年のことです。バーンズ・アンド・ノーブルというアメリカ最大の書店チェーンがオンライン書店を開始すると発表しました。創業当初のAmazonには驚きのニースでした。

このとき、ジェフ・ベゾスは全社ミーティングを開いて、当時まだ200名しかいなかった社員全員の前で次のように言い放ったのです。

競合に恐れることはない。夜も眠れないほど恐れるべきは、自分の適切な顧客体験を提供できないことだ。

その10年後の2007年11月19日(月)午前9時、ジェフ・ベゾスはニューヨークのホテルで50人の報道陣の前にしてKindleのメディアリリースの壇上にいました。

それは、顧客の読書体験を全く変えてしまうほどの可能性を秘めていたのです。

そしてそこには、ある有名日本企業の存在があります。しかし、Amazonの前に敗北を期してしまうのですが、そこにはここに登場したサイド・ストーリーが少なからず影響しています。

 

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