Last Updated on 2018年10月7日 by 大山賢太郎
電子書籍は本の虫の役に立っているのか: 2017年3月アンケート調査 電子書籍の窓では、サイトに登録した電子書籍愛好家に対して電子書籍を読むようになって、本を読む習慣がどのように変化したかをアンケート調査しました。
その結果、電子書籍を読み始めて圧倒的多数の87%の人が紙の本よりも電子書籍で本を読む量のほうが多いことがわかりました。
また、電子書籍を読むようになってから、約6割の人が本を読む冊数が増えたとしています。読み放題サービスも4割以上の人が既に利用し、興味のある人を加えると3人に2人が好意的ですが、一方で3人に1人は読めるタイトルの種類やシステムに不満を持っているようです。
目次
電子書籍は本の虫の役に立っているのか?
2017年3月、電子書籍の窓はサイトの読者を対象に電子書籍は本当に本の虫の役に立っているのかどうか。電子書籍を読むことで、より多くの本をより楽しく読むことができるのかどうかを調べることを目的に調査しました。以下はそのアンケート調査の結果です。
1. あなたは平均で月何冊本を読みますか?
最も多いのは3冊で26%。中央値は4冊。注目すべきは隔離した月に10冊以上読破する読書層もある点です。その内訳としては10冊が17%で、15冊前後、30冊前後、40冊という多読家も見受けられます。
こういった層は、執筆や研究などの分野で積極的に知識を得る職業にあり電子書籍の恩恵を最も多く受ける読者層と言えそうです。
2. 電子書籍を読み始めて、紙の本よりも電子書籍のほうが読む量は多いですか?
圧倒的な人(87%)が紙の本よりも電子書籍のほうが本を読む量が増えたと言っています。その理由としては、やはり携帯性や入手の容易さなどが見られますが、海外在住の方が日本の書籍を持ち帰るのために利用しているといった例もあります。
その理由は?
- 持ち歩ける
- いつでもすぐに買える
- (紙の)本を保管するスペースがいらない
- 手軽に持ち運べる
- 紙の本は読み終えた後に処分に困るから
- 海外在住のため
- 電子書籍へ買い替えが多い
3. 電子書籍を利用後に、本を読む量の全体はどう変わりましたか?
電子書籍を読み始めて、57%の人が読む量が増えたと言っています。また、3分の1以上が本を読む時間が増えたとのことです。
これに対して、変わらないといっているのは27%で約4人に1人です。時間が取りづらい中、電子書籍の入手容易性や携帯性をフル活用して読む本の数を増やしていそうで、紙の本から電子書籍への移行が進んでいるかもしれません。
その理由は?
増えた人
- 持ち歩ける、状況に合わせて読める
- 紙の本はとっつきにくい
- いつでもどこでも読める
- スキマ時間に使いやすい
- 以前より買いやすくなった
変わらない人
- 時間が取れない
4. 読み放題を利用していますか?
半分弱(43%)の人が利用し、22%の人が興味を持っています。始まって間もない時期(半年経過)のアンケート調査ですので、非常に高い参加率と言えそうです。
一方で、お試し期間を利用したが継続しなかった人も22%います。この人達が上げている参加しない理由は、もともと読む本の数が少ない、時間がない、システムを信用できないなどでメリットよりもハードルのほうが高いと感じているようです。
その理由は?
利用している人
- 様々な分野の本に出会えるから
- 現在の読書量ではペイしない
- 多読のため
- 漫画が読める
- 立ち読みの時間が減らせる
- 読んでいないジャンルを試せる
- 興味のある本をたくさん低コストで読みたい
利用していない人
- 興味のある本が少ない
- 読みたい本がない
- 時間がない
- たどり着くのが容易ではない
- システムを信用できない
5. 読み放題を利用している人にお聞きします。どのサービスを利用していますか?
利用している読み放題は圧倒的(91%)にKindle Unlimited読み放題。次にdマガジン(9%)Amazonの読み放題サービスは、電子書籍の読書に大きなインパクトが有ったと言えそう。
dマガジンと楽天マガジンは雑誌読み放題です。アンケート調査時点では、Kindle Unlimited読み放題が書籍分野で唯一でダントツのサービスとなっています。
6. 読み放題を利用後に本の読み方はどう変わりましたか?(該当する全てにお答えください。)
読む冊数が増えた(73%)と読む時間が増えた(45%)から、読み放題は読書の量と時間を増やす効果があると言えそうです。
面白いのは、読む時間が変わらないのに読む冊数が増えた言っている人が18%もいること。速読や多読を促進する効果があるかもしれません。
その理由は?
- とにかく携帯性に優れている
- マンガは時間がかからない
- 興味ある記事を横断して読める
- 読むスピードが早くなった
- 気軽に簡単にいつでも読める
まとめ
- 電子書籍を利用することで、紙の本よりも電子書籍の読書のほうが多くなっている。
- 電子書籍を読むことで、本を読む冊数も時間も増える傾向がある。
- 限られた時間の中で、携帯性、入手容易性、スペースを取らない、より素早く読めるなどの特徴を活かしてより多くの本を楽しんでいる。
- 読み放題サービスは、立ち上げ時にはクレームも少なからずあったが、既に4割程度が利用しており、過半数の人が好意的に受け止めている。
- 読み放題サービスを利用することで、圧倒的多数がより多くの本を読むようになった。また、約半数が読書の時間が増えたとし、一部は同じ時間でより多くの本を読むようになったとしている。
- 結果的に、電子書籍と読み放題サービスは本の虫が限られた予算と時間でより多くの本を読むことに大きく役立っていることがわかった。
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