Last Updated on 2022年4月7日 by 大山賢太郎
深層読書術: ディープラーニングで読書にブレークスルーを起こす方法
脳の深層レベルの意識を使えば、ディープな読書で数々の発見が生まれてきます。そんな、ワクワクする、人の知的ワークをイノベーションする方法を解説していきます。
AIが使うディープラーニングという技術は、人間の脳をマネした仕組みを持っています。この圧縮・復元の技術は、人の読書や学習の要約や発見のプロセスに活用することができます。
何かちょっと難しいお話になってしまいそうです。できるだけやさしくわかりやすいように話していきたいと思いますので、最後までお付き合いください。
どういうことかというと、AIの深層学習(ディープラーニング)を使うと、人の深層レベルの意識に到達して、読書からあらゆる気づきや大発見を生み出すことができるというそういう内容です。
参考: Evernote(第2の脳): クリエイティビティを創り出す方法(新しいブラウザータブで開く)
目次
深層読書術とは
このAIですが、最近ものすごく話題になっています。この人工知能とも呼ばれるAIは、過去に2度のブームがありました。その後停滞していたところに、ちょうど10年前の2012年にブレークスルーが起こったというのは有名なお話です。
グーグルの子会社のアルファ碁が、韓国の碁の名人を打ち破って大きな話題になりました。
そうしてその後、次々とブレークスルーが起こってきました。
例えば、初めてネコの画像を人工知能が認識したとか、あるいは人間が書くように文章を書けるようになってきたとか、もうもうどんどんと新しい技術が生まれてきています。
そこからは、破壊的イノベーションというものがもう日常茶飯事となっているわけです。
実はこのディープラーニングですが、人間の脳神経回路をマネした仕組みだと言われています。今日のお話ですが、実は、逆にこれを人間の思考にも利用できるというのが今日の内容です。
参考: 紙の本と電子書籍: 本当に紙の本で読書する方がよいのか?(新しいブラウザータブで開く)
コンピュータが人の脳をマネしたらすごいことになった
まず最初に、このAIの仕組みというのを簡単に説明していきます。
まず最初に、このAI(人工知能)は人間の脳をマネしているという点です。
神経細胞はニューロンとも呼ばれるのですが、脳は学習にこの神経細胞を電気信号が伝わって学んだものを記録しています。
この神経細胞が複数集まって何段階にもわたって階層を作っています。AIもこれと同じような機能をするというんです。
よく深層学習やディープラーニングなどと呼ばれますが、これはコンピューターが自らデータの特徴を見つけ出す方法です。
ディープラーニングの登場以前は、どのように特徴を見つけるかをコンピュータに教えてあげなければならなかった。人が特徴を見つける方法を考えて、その仕組みを作ってあげて初めて動くというものだったようです。
ですから、その精度には自ずと限界があったということです。
そこに登場したのがこのディープラーニングです。この仕組みを作ってあげると、コンピューターが自動的に答えを出してくる。これが凄いというのですね。
人間が色々と考えて作ったアルゴリズムよりも凄い結果を出してくるということで、もう大変な騒ぎになった訳です。
深層学習(ディープラーニング)の秘密を解き明かす
このディープラーニングというのは、複数の階層ごとに学習していく仕組みです。何回も何回も階層ごとに繰り返し学習していきます。ここに使われているのが情報圧縮器というものです。
要するに、一回ずつ情報を圧縮して、それが圧縮したものが圧縮の方法が正しかったかどうかを確かめます。どうするかというと、これを逆に元に戻して、元あったデータと比較をして確かにそうだと、答え合わせをします。
例えば、猫の画像であれば、画像をたくさん見せて、これは猫だと仮定してます。次にそれを違う画像と比較して、本当にそうかどうかを確認します。エラーが出たら修正して、これを繰り返して精度を高めていくのです。
一つの階層のみのものはシャロー(浅い)ラーニングです。2層以上に複数回に渡ってやっていくものがディープ(深い)ラーニングと呼ばれるそうです。
つまりのところ、複数の層を使って情報を圧縮し、それを元に戻して答え合わせをしながら何度も何度も繰り返して精度を高めていくのが深層学習、ディープラーニングということになります。
ドラえもんの心のつくり方: 超AIをついに開発!日本発の「ドラえもん的発想」が世界を変えるブレークスルーを起こす(新しいブラウザータブで開く)
小学生でも分かる深層学習
といっても、これだけでは何かよくわかりません。小学生にもわかるように説明します。
小学生の子供が予習をして授業を受けます。そして、宿題を家に持ち帰って復習をします。翌日、学校に行って宿題の答え合わせをします。先生からここは間違ってるよと言われたところがあれば、また家へ持ち帰って宿題をします。そしてまた、その宿題とき終わった宿題を持って学校に行って答え合わせをする。
こういったようなものだと考えると、わかりやすいということです。
これをAIでは圧縮・復元と呼びます。これを繰り返して、間違いが一番少なくなるようにして、最終的に大量のデータから特徴というものを浮かび上がらせてきます。
この圧縮と復元を繰り返して特徴を取り出すのがなぜすごいかというと、同じデータや環境であれば。同じような結果が起こることが予測できるようになるからです。
AIの知的活用術: 読書や学習に使えるディープラーニング
この圧縮という作業ですが、実は人間の読書で言えば要約とよく似ています。
面白いのは、AI科学者のシュミットフーバーという人が、この人がこれはAIにも人間世界にも共通するといったことです。
この論文見つけた時、「ええ、そうなんだ!」と私も驚きました。彼はAIが特徴を引き出すプロセスが、人間の脳が知識を圧縮して抽象化、概念化、定理などを発見するまでの思考の過程と同じだといいます。
ニュートンとアインシュタインの法則
例えば、ニュートンの重力の法則は、落下する物体の大量のデータから、リンゴや他の物体の運動を定式化しますが、この法則で他の物体の動きを予測できます。
要するに、窓から外にリンゴを手で持って手を離せば下に落ちます。リンゴではなくて、カキでもトマトでも何でも持ってるもの手に持って、そして手を離せば下に落ちます。全く同じことを再現できるわけです。
その後に出てきたアインシュタインの一般相対性理論ですが、このニュートンの法則では説明できなかった点を説明しています。さらに多くの事象を圧縮して法則を導き出しています。
アインシュタインの名言と知的ワーク
アインシュタインの名言として「物事はできる限りシンプルにすべきだ。しかし、シンプルすぎてもいけない」といっています。正しく、これを言っていることになります。
つまり、シンプルに圧縮していく。最終的に残ったものがそれが法則になる。別の言い方をすれば発見になる。
何か新しいイノベーションを生み出すようなものが、そこから生まれてくるということになるわけです。
AIの知的活用術とは
さて、ここからが本題です。このAI科学者のシュミットフーバーは、彼の論文で、これはヒトの創造性、芸術、科学、音楽、さらにはジョークなどの本質とも共通していると言っています。
複雑な物事を大幅に抽象化したり、シンプルに圧縮したりすることで構造化を明らかにしたり、同じようなことが予想、予測することに役立つと言っています。
であれば、天才的な科学者、芸術家、音楽家、発明家などはこういった何か再現性のある特徴をとらえて新しい発見、作品、芸術、発明などを生み出しているということになります。
つまり、AIの圧縮による特徴量の抽出というプロセスですが、人工知能の学習に限らず、人の思考や学習創造性にも活用できる技術だということになります。
深層読書術: 知的ワークにAIとナレッジブレインを使う
例えば、これを読書や学習に利用すれば、電子書籍、WEBページ、あるいは論文の読書や学習にも使えます。こういった文章から、そのコンテンツを超高速に圧縮・要約することができるのです。
そこから数々の特徴を導き出してくれば、それは法則であったり、何か定式であったり、新しい発見に結びついてくるということです。
第2の脳: ナレッジブレイン
こういった仕組みを、1カ所に集約をしてその後からのアウトプットまで知的生産に必要な一貫したプロセスをつくることができれば、これはすごいパワーを発揮することになります。
この読書と要約の方法が「段階的要約法」であり、そしてそれを前提とした知的生産のフレームワークが「第2の脳: ナレッジブレイン」というわけです。
参考:「知的生産の技術」とセカンドブレイン: 日米比較から考えるデジタル化する知的生産の進化論(新しいブラウザータブで開く)
その使い方、その活用方法など、この後からの配信で説明していきたいと思います。
とにかく明るいやまけんがお届けした人生後半戦のハーフタイムでした。
この後の展開もお楽しみに。
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