Last Updated on 2018年10月14日 by 大山賢太郎
スマホ Kindle: 私たちがいつも手にしているスマホは、可処分所得を奪う存在でしょうか?それとも、読書や収入アップにつながる存在でしょうか?
この記事では、スマホで自由に使える可処分時間を増やし、スマホ読書で収入アップに繋げる方法を徹底分析していきます。
目次
1、スマホの登場で読書の時間は減ったのか?
ここ数年で私たちの生活の中で起こった一番大きな変化の一つにスマホの登場があります。子供から大人まで、誰でもが一日中手にしています。
朝起きたベットの枕元から手に取るのは、まず最初にスマホです。そして、朝食の時はテレビを見ながらスマホをいじり、通勤電車の吊革につかまってYahoo!やGunosyの記事を読みあさります。
朝食時も、帰りの通勤電車を待つ時間から買えつてテレビを見ながら、またまた手にしています。最後には、ベッドの中まで持ち込んでSNSやメールをチェックしたり、無料で手に入れたスマホゲームに夢中になっています。
私たちのライフスタイルは、スマホを中心に回っているようでもあります。こうなると、批判の議論も起きてきます。
「スマートフォンは私たちから、どのような時間を奪ったのか?」PRTIMES ジャストシステム(2014.12.17)では、雑誌を読む時間が減ったと答えたのは40.8%、新聞を読む時間が減ったと答えたのは32.6%でした。これはネット上のニュースサイトなどでは、「代償は大きいかも…スマホが「私たちの生活から奪ったもの」3つ」で、読書の時間が減ったという意見にもつながっています。
実際に、日本の書籍と雑誌の販売数はインターネットが普及し始めた1996年にピークを打ち、その後20年にわたり市場規模が縮小しています。特に2000年台後半から顕著ですが、これはスマホの登場が加速させている言えるかも知れません。
しかし、これに2010年ころに本格的に登場した電子書籍を追加してみると状況は全く変わってきます。
電子書籍の販売金額推移(出版科学研究所/インプレス総研)スマホの登場で、この頃を境に、それまで若者に人気のあった携帯電子書籍が一気に姿を消し、いわゆる電子書籍が急速に成長してきています。
これに、紙の本とコミックの数字を合算したのが次のグラフです。2016年以降は林氏の推定値ですが、彼の予測によれば、今後電子書籍市場は急速に成長し、紙の本とコミックを含めた出版師匠全体の売上は2019年には2005年当時の数字まで回復するとしています。
あくまでも筆者の推測ですが、これがそれ以降も継続すると仮定すれば、今後10年後の2016年頃には1996年当時のピークに匹敵するまでなり、その時には、出版物市場の約半分は電子書籍が占めることになりそうな勢いです。
2、文章を読むメディアが置き換わっている
これまでのデータと説明で、私たちが本や雑誌を読む時のメディアが大きく紙からデバイスの画面に移行しつつあることが分かります。
では、これは誰がどのデバイスで読んでいるのでしょうか?
電子書籍は誰が読んでるの?–データを見たら意外なことがわかったでは、20代から40代を中心に20%から50%の利用率となっています。特に、20代の女性が最も多く、それに20代の男性が続きます。40代の男性や女性でも20%を軽く超えています。
また、Kindleなどの電子書籍を利用するデバイスは、「スマートフォン」が47.2%、「タブレット端末」が27.5%となっています。
そして現在の電子書籍の販売内訳をみてみると、2014年時点ではその8割はコミックです。
なんと、これを総括すれば、電子書籍は若者(特に女性)を中心にコミックで売上を伸ばしいてるということになります。
しかし一方で、愛読家が注目するべきデータも有ります。
筆者が日販の2016年上半期の「2016上半期ベストセラー(集計期間:2015.11.27~2016.5.25)」のデータからAmazonのKindleストアの実勢価格を調査した記事(「紙の本 vs 電子書籍の価格比較 2016上期: 電子書籍は紙の本よりも本当に安くなったのか?)がこれです。
ご覧頂いてお分かりいただけるように、ベストセラーランキングに入るほとんどの書籍は電子化され、その実勢価格も「2割引き・3割引きは当たり前」「4割引もザラにある」「探せば5割引きも」というのが最近の状況です。
さらに、2016年最大のニュースが飛び込んできました。
読み放題の電子書籍サービス(Kindle Unlimited)の登場
Amazonは海外のKindleストアの多くですでに始まっている電子書籍の読み放題サービスのKindle Unlimitedを日本でも2016年8月に開始すると報じられました。(アマゾンジャパン、読み放題サービス8月開始へ)
これが私たちの読書に具体的にどれくらいのインパクトがあるかは、サービスの開始を待ってみないと分かりません。しかし、すでに始まっている雑誌の読み放題サービスのドコモのdサービスなどの実績ちょまとめた日本ABC協会の「雑誌発行社レポート」(2015年7~12月)のデータをまとめると以下のように、非常に大きなインパクトがあるのが理解できます。
以上からもお分かりいただけるように、本を読む媒体は紙からデバイスの画面に置き換わりつつあります。また、この画面は私たちが肌身離さずどこへでも持ち歩くスマホになってきています。
また、急速に低下した電子書籍の価格破壊は、紙の本から画面上に表示された電子書籍の読書へと移行するものを強力に促していくものと予想されます。
2016年のトレンドとしては、これまで若者を中心に「スマホでコミック」を読むから「スマホで本を読む」に一気に波及していくと考えられます。
3、スマホと可処分時間、そして収入アップとの関係
先ほどの「スマートフォンは私たちから、どのような時間を奪ったのか?」PRTIMES ジャストシステムでは、いわゆる読書の時間以外にも、デレビ(34.9%)やパソコン(27.7%)に使う時間もスマホの時間に奪われていることが報告されました。
私たちの時間は、確かにスマホに使う時間が大きく占めるようになってきているようです。「暇さえあれば」スマホを手にしているからです。
そこで、読書など自由に使える時間について考えて見ます。「可処分所得」ということばに習って、これを「可処分時間」と呼ぶことにします。この後からは、同じようなアプローチで考えていきます。
・可処分時間とは
可処分時間は次のように考えられます。
※1日24時間−(固定費時間+変動費時間)=可処分時間
1日は24時間で、そこから「自由にならない必ず発生する固定的な時間」と「日々変動するが自由にならない時間」を差し引いた残りが可処分な時間です。具体的な例を列挙すると以下のとおりです。
- 固定費時間
睡眠、身じたくや化粧、食事、通勤時間、会社の勤務時間、日々の買い物、家事などです。 - 変動費時間
子育て、家族のためのレジャーや娯楽などです。ここでは、家族のための時間は自分自身のプライベートで自由自在になる時間とは切り離して考えます。
もちろん、これは曜日によって、また終日か週末かによっても大きく違います。ただし基本的な考え方は同じです。
私たちのライフスタイルはますます多忙を極める傾向にあり、自由に使える可処分時間はますます減少しているように感じています。
・可処分時間の使い方
可処分所得と同じように考えると、可処分時間は次のように定義することもできます。
※可処分時間=消費性向時間+貯蓄性向時間
消費性向の可処分時間とは、後から収入アップに好影響を及ぼすことのない時間の使い方です。これに対して、貯蓄性向の可処分時間とは後から収入アップに繋がる可能性の高い時間の使い方です。
具体的な例は以下のとおりです。
- 消費性向
娯楽(スマホ時間、テレビ、映画、食事、ショッピング、読書)、レジャー(旅行、観劇、コンサート)など - 貯蓄性向
読書、投資、エキササイズ、資格取得、学習、執筆、個人出版、セミナー、人的交流、知識の整理など
少し古いデータになりますが、シチズン時計が1998年に行った「ビジネスマン・OL400人に聞く『私の“可処分時間”』」では、平日の平均で2.7時間でした。睡眠を除いた1日の活動時間が16時間とすると、そのわずか16.9%でしかありません。
こうして改めてみてみると、もともと可処分時間は少ないのが理解できます。
この貴重な可処分時間を「消費性向に使うか」あるいは「貯蓄性向に使うか」は、個人の考え方やライフスタイルによります。また、若い世代から中年、更年期に成長していく過程で大きく変化していくライフサイクルによっても違います。
また、一概に読書と言っても、楽しむための娯楽の読書と自分の成長と学習のための読書に分かれます。このどちらかによって、本の読み方も大きく変わる可能性があります。
できることならば、若い時にはより多くの時間を貯蓄性向に使って「貯金」して、後々に消費性向に使いたいものです。
しかし、この少ない時間をスマホが大きく侵食してきてます。そして、「暇さえあれば」FacebookやTwitterなどのソーシャルサービスに、あるいは無料でダウンロードしてきたスマホゲームに熱中しているのです。
このスマホの消費性向的な時間を、貯蓄性向的な時間に置き換えることができないでしょうか。その最もインパクトのあるアプローチが「スマホ読書」だと言えます。
4、スマホ Kindle: スマホ時間をスマホ読書と収入アップにつなげる
ここからは、この「スマホ読書」の可能性について探っていきます。
・ある日突然に登場した超高性能な読書ツール
2010年以降、特にAmazonが日本でKindleストアを開始してから電子書籍を目にしたり、読む機会が格段に増えました。
そうは言っても、今でも電子書籍を読むには専用の電子書籍リーダー端末を購入する必要があると考えている人は多くいます。もちろん、Kindle本はスマホやタブレット端末、パソコンでもKindle無料アプリをインストールしてすぐに読むことができます。
この中でも、普及率が最も高く、誰でもがいつでもどこでも、持ち歩いて多くの時間を割いているのがスマホです。
実は、スマホは一昔前のスーパーコンピューターの10倍以上の処理能力があります。1970年代に登場したクレイと呼ばれる巨大な初代スーパーコンピューターは、一台当時のお金で数億円から数十億円しました。(計算量はコンピュータ性能論の「入り口」にすぎない–専門家が語る、IT屋に知っておいてほしい基礎知識)
私たちが片手で持ち歩いているスマホは、その数十倍の処理の揚力を持ち、これを多数繋げれば、現代のスーパーコンピューターを作ることも可能です。(スマートフォンのCPUを活用して、スーパーコンピュータがつくれたら面白い!)
誰でもが、この超高性能なツールをKindle本の読書に使うことができるのです。「スマホで読書」の始め方と基本については、こちらをご覧ください。(スマホで読書: 無料Kindle本を簡単に思う存分読む方法)
では、どのようにしたら、このスマホを使って収入アップに繋がる貯蓄性向的な読書できるのでしょうか。
・スマホ読書の課題は、それをいつどう使うか
私たちは多忙な毎日を送っています。
日中に仕事を持つ人にとって、週日や毎日の帰宅後に読書の時間を作ることはかなか難しいものです。特に、日々勤務時間が変動する仕事や通勤時間が長い場合などは、一日の終りに疲れ果てた時間を読書に向けるのは至難の業かもしれません。
しかし一方で、私たちがスマホで可処分時間を「ムダ」にしている時間は短くありません。
「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によれば、可処分時間の大きな部分がスマホでネットやソーシャルメディアに消費されていることが分かります。
- スマートフォンからのインターネット平均利用時間は73.0分(利用者ベース)
- ソーシャルメディアの利用率が6割超に
- ソーシャルメディアを利用した者の利用時間は平均70.9分
- 20代で2割以上が動画投稿・共有サービスを平日で100分程度見る
先ほどの『可処分時間』の調査は、スマホ登場以前の数字ですが、ライフスタイルが過去20年でそれほど変わったとは考えられません。であれば、引き続き忙しい毎日の中、このわずかな『可処分所得』のほとんどの時間がスマホに奪われているになります。
しかし、これが自分がいつも持ち歩いているスマホが「本」にその場で切り替わるとしたらどうでしょうか?全てとは言わなくても、その半分でも読書に使えれば大きな効果があります。
例えば、固定費時間の中にある「通勤時間」を手もとにあるスマホで「読書」の時間に置き換えることができます。多くの人は、1時間から2時間を通勤電車に揺られて会社に通っています。この時間帯を、スマホでゲームやSNSに夢中になるのではなく、スマホ読書に切り替えればいいわけです。
また、通勤電車の必要のない方であっても、特におすすめなのが朝の就業前の時間帯です。朝の通勤電車の中の時間と就業前の時間は、1日の中でも集中力と高い効果が得られる時間であることは、次の調査でも明らかです。
「仕事の生産性とワークスタイル ~生産性が高まる時間帯と行動スタイルからワーク・ライフ・バランス、テレワークまで~ 株式会社NTTデータ経営研究所」この調査では、1日で最も集中できる時間は午前11時までで、午後の就業時間がこれに続きます。
まさか、就業時間中にスマホでゲームをするわけではありません。朝の就業時間以外であれば、就業前の時間帯が最も集中し仕事がはかどる時間帯だとしています。
毎日の多忙な生活の中、遅刻ギリギリで出社していませんか?これを朝型の生活スタイルに切り替えます。1時間から2時間早く家を出るだけです。
そうすれば、毎日ギュウギュウ詰めの電車に揺られることもなくなります。驚くほど空いた電車で通勤でき、座れる可能性も高まります。これであれば、スマホ読書もはかどります。
また、早く会社近くのコーヒーショップなどでゆったりと、「スマホ読書」にも、「1日のスケジュールの予定の確認」や「アイデアの整理」にも使えます。
これだけで、1日に1時間から2時間の可処分時間を、これまでのスマホの「消費性向」の時間から「スマホ読書」の「貯蓄性向」の時間へと無理なく移行できるのです。
・Kindle本のスマホ読書で期待できる効果とは?
スマホの時間を切り替えることにより、「スマホ読書」の時間を増やすことで数々の効果が期待できます。そのいくつかを見ていきましょう。
1、「すき間」時間をすぐに見つけ、「すき間読書」を始められる
先ほどの通勤時間の「スマホ読書」はどうでしょう。
通勤時間の内、片道30分で往復1時間のすき間時間を読書に当てることができます。1週間であれば、1時間X5日間=5時間です。
これに、朝一時間早く家を出て、会社の近くのコーヒーショップで1時間の準備と整理の時間を当てます。これで1日のメリハリをつけながら、すきま時間を広げて貯蓄消費の時間を作り出すことができます。
もし必要であれば、あるいは、さらに1週間の成果をまとめたいのであれば、週末の土日のどちらかで近所のコーヒーショップで2時間から3時間程度を追加すれば、なおよいでしょう。これで、1週間に10時間から15時間程度の時間を確保できます。(なんとこれは、1日から2日分の就業時間に相当します。)
これだけの時間があれば、電子書籍の読書では1週間で1冊の本を読破し、あとから説明するように読書ノートにまとめられる時間は十分以上にあります。
これを週末に読書の時間を別に割く、あるいは週日の夕食後の時間でするのは、心理的にも時間的にも大変な作業になってしまいます。日々の仕事や雑務のプレッシャーや家族との時間の中に埋もれてしまいがちだからです。行動しない理由や誘惑のリスクが常につきまといます。
また、これが紙の本の読書であればなおさらです。この時間の流れやスケジュールの中で、読書の時間をとり、さらに本に書き込んだマーカーやアンダーラインを紙のノートブックに書き出して読書ノートを作る作業は不可能に近いと言えます。
私の経験からも断言できます。執筆活動に必要な情報は、何十冊と図書館から借りてきた本に付箋でブックマークをつけて収集していきます。これをあとから使うためにパソコンに打ち込むのですが、この作業がとても苦痛です。1冊の本のブックマークを書き出す作業だけで、3時間から4時間が必要だからです。
(これが、このような記事を書くモチベーションにもなっているのです。)
2、スマホは速読向きの読書ツールになりつつある
「一週間に1冊を読破するのは難しい」と思われるかもしれません。しかしこれは、特に電子書籍の読書では意外と可能です。
私たちが文章を読むスピードは、ここ数年で飛躍的に早くなってきています。これは、スマホで読書をする時には特に眼を見張るものがあります。
通常、私たちが紙の本を読む時には、机に座って広げた本を1ページずつめくっていく作業をします。これに、必要に応じてシャーペンやペンを持って重要な箇所にラインを引くこともあります。あるいは本の横に開いたノートに重要な箇所を書き出していきます。
これに対してスマホの読書では、開いた本の右端か左端をタップしてページを移動します。あるいは、指をなぞらせてスワイプもできます。通常の上下のスワイプとは少し違いますが、画面はキビキビと切り替わります。
ですから、「スマホ読書」を始めると、自分の本を読むスピードが同じように早くなっていることに気が付きます。
しかし、「紙の本」ではなく「スマホで読書」をすることに違和感を感じるかもしれません。
私たちにとって、紙の本をめくりながら読む時の感触こそが、長年の「本を読んでいる」という感覚です。ですから、スマホのスワイプやタップの動きと小さな画面に映された文字の間には、読書というには大きなギャップを感じてしまいます。
しかし、スマホで文章を読むことに慣れてきています。例:メール、SNS、SMSメッセージにはじまり、Yahoo!やGunosyなどのニュースアプリでは、気が付くと記事から記事へ読み進んで終わることがありません。
画面についても、以前のガラケー携帯をはるかにしのぐ紙同様の鮮明さになってきています。
ですから、すでに文章を読む多くの時間はスマホなどの画面上で使われています。もし読みやすさだけて言えば、違和感がなくなってきていると言えます。
さらに、スマホの使いやすさ、操作性は次第に片手の一部にもなりつつあります。スマホ画面でのページの切り替わりやページめくりの速さはやみつきになってきます。
このようなスマホで文章を読むスピードで電子書籍を読み進めると、読書のスピードは格段に早くなっていることにある時気づくのです。
3、スマホは読書から得た知識を再利用する最適なツール
スマホが読書に最適なツールと言えるもう一つの理由に、本から得た知識を再利用に向いていることがあります。
単に読むだけではなく、読書をしながら重要な知識をあとからも使えるように処理できるのです。実は、これが電子書籍を読むときの一番大きなメリットといえます。
電子書籍を読み始めた人は、電子書籍には書き込みができないと思っています。もちろん、スマホの画面にペンで書き込みはできません。しかし、紙の本以上に便利な書き込みの機能があります。
実際に、紙の本に書き込みをするのと同じように、重要な箇所を選択して4色の内から選んでマーカーで線を引くようハイライトできます。さらに、文字を書き込むのと同じようにメモを選択した箇所に追加できます。
このハイライトした箇所は、全てAmazonのKindle読者専用ページ(AmazonKindle)で一覧表示も検索もできます。また、Clippings.ioというサービスを使えば、一箇所にまとめて管理したり、Evernoteに取り込んで知識をデータベース化して管理することさえできます。
もちろんこれは、スマホだけで操作管理するのには入力や処理に無理がありますので、パソコンやタブレットなどと連携していくことになります。突然紙の本の読書と紙のノートに置き換えることは必要ありません。これまでの読書に少しづす組み込んでいけばよいのです。
この機能は、後々の収入に結びつける貯蓄性向のための「新しい読書」と「本からの知識の活用方法」として、電子書籍の注目されるべき機能です。
「ハイライトとメモで何ができるか。どんなメリットが有るか」については、別途の解説を追加するつもりです。
4、一度に持ち歩き処理する冊数に制限がない。一生分の蔵書と読書の記録を手のひらで持ち運べる
最近のスマホのメモリ容量は数十ギガバイトまで増えてきています。これは、一生かかっても読み終えない量の本をダウンロードできるということです。
さきほど、電子書籍の読書では1週間に1冊を読破することが十分可能であると言いました。これは、1ヶ月に4から5冊、年間に50冊分の読書ができるということです。
これを一生分の時間軸に延長してみると、スマホが持つ可能性がより明らかになります。
例えば、一般人が社会に積極的に関われる勤労年数を20歳から60才までの40年と仮定します。1年に50冊読破可能ですから、40年では2,000冊(50冊X40年)もの読書ができます。60才以降も現役であり続けるつもりであれば、この数は更に増えます。
この60歳から現在の年齢を差し引くと、現役をリタイアするまでに読む本の数です。(逆に現在の年から20歳を差し引いて、50に掛けると、これまでに読んでいたはずの本の数となります。)
例えば、現在35才であれば、可処分年数は25年間で読破可能な本の数は1,250冊です。過去15年間の750冊分の貯蓄性向の読書してこなからったとしたら、残念ながら、その分の貯蓄が残っていないということです。これは膨大な機会損失と言いかえることもできます。
単にその数の本を読んだ読まなかっただけではありません。紙の本では、どうしても単なる読み流しの読書になりがちです。電子書籍で可能な知識をあとから再利用できる貯蓄性向の読書をできなかったからです。
「スマホ読書」であれば、この膨大な本や知識をスマホにすべて入れることも必要に応じていつでもクラウドからダウンロードできます。また、読書から得た知識をクラウドに保存して管理し、いつでも検索することもできます。
5、紙の本よりも格段に割安の電子書籍を手に入れることができる
これだけの本の数を読破しようとすれば、費用と時間の面、そして読書の方法の面から効果的な方法を選ばなければ実現不可能です。
費用的には、先ほどの「紙の本と電子書籍の価格比較調査2016」にあったように電子書籍は紙の本から3割から4割程度の割引が一般的になってきています。また、無料や割引価格のキャンペーンが常に行われています。
この傾向は、さらに加速していくことでしょう。ますます多くの人が紙の本よりも安いことと便利なことに気が付き始めています。「同じ本が半分の価格で読める」「同じ読書の予算で2倍の本が読める」としたら、選択の判断は大きく変わるのは時間の問題です。
また、電子書籍の便利な点に気がついたら。スマホで本を読むことが苦痛と感じなくなる転換点も遠くないように思います。
パソコンの登場当初、パソコンの操作を覚えることも、日本語入力も苦痛以外の何物でもなかったのはつい最近の話です。しかしある日、職場の机の上にはパソコンが当然のように置かれるようになり、現在では、文章を書く(特に長文の文章)ことはパソコン以外では考えられなくなりました。
LPレコードがCDの登場で消え、CDがiPodのAppleストアの登場で消ようとしているように、本の形やメディアは大きく変化していくことになります。
ある日、紙の本よりも電子書籍で読書をしたほうが便利なことに気がつくのでしょう。それには、「本の価格」は決定的な要素となり得ます。価格は購買行動の決定的な判断基準だからです。
その時のメインデバイス(リーダー端末)は、「スマホとKindle」であり、その方法は「スマホ読書」である可能性は限りなく高いと考えられるのです。
5、デキる人がすでに始めているKindleスマホの電子書籍活用術とは?
今後急速に増える「スマホ読書」ですが、すでに始めている人も少なくありません。
それはどのようなアプローチでしょうか?
1、既存の読書のフレームワークに取り込む
これまで、読書といえば紙の本が常識でした。
多くの読書術では、紙の本に書き込みをしたり、書き込みをした箇所を紙のノートに書き出してまとめることを薦めています。本から得た知識を使って文章を書くには、この紙のノートを使うことになります。
これが読書と関連づけられた思考のパターンとなっていて、この流れに沿っていくことで最大の効果が発揮できたわけです。ですから、スマホで本を読むことには心理的なバリアがあるように感じています。
であれば、パソコンと紙の本とワープロアプリの「すき間」に、スマホ読書を組み込んでしまうのです。また、既存の生活行動の中の「すき間時間」に取り込むようにします。
毎日の生活の中で読書をする時、紙の本では持ち運びできる数にどうしても制約があります。鞄の中に入れられるのはほとんど数冊に限られますし、何十冊と運ぶにはキャスターの付いた旅行かばんが必要です。
Kindleの電子書籍であれば、いつでも、どこでも、暇さえあれば、すぐに読書が始められます。また、過去に読んだ本もすぐに呼び出せます。
2、電子書籍ならではの機能を最大活用する
スマホ読書をしながら気がついた重要な箇所、面白い箇所、あとから使いたい箇所は、その場でハイライトします。また、付け加えたい自分の考えやコメントがあればメモにして選択した箇所に入力しておきます。
Kindleのハイライトやメモは、電子書籍を開いている時は「マイノート」と呼ばれる管理機能で一覧表示できます。それぞれのリストアイテムをタップして、本のハイライトやメモした箇所を開くことができます。
これは、一冊の本の読書ノートに該当する機能です。読書中だけではなく、何年も経った後からこれを開けば、過去に読んだ時の気づきや知識を簡単に見つけることができます。
これ以外にも、無料の電子辞書や翻訳、X-Rayと呼ばれる用語解説、Wikipediaと連動した検索機能など、様々な電子書籍ならではの機能があります。
これが紙の本であればどうでしょう。紙の辞書や電子辞書を持ち歩くは面倒で、書き込むのもためらいがちです。ついつい流し読みで、後には何も残らないというのが実際のところではないでしょうか。
3、ハイライトとメモをテキストデータとして利用する
デキる人は、可処分時間を限りなく有効活用しようとします。
読書の時間を貯蓄性向にするには、一度手に入れた知識を後から再利用できるように「貯金」していく必要があります。そして、これをどう使って「投資」するかを考えます。
ハイライトとメモは、この最も重要な機能です。読書中にKindle本に追加していくハイライトとメモは、「AmazonKindle」というAmazonがKindleユーザーのために提供する読書管理サイトで一覧表示することができます。
電子書籍の読書中に開いたページでは、選択した箇所をコピー・ペーストすることはできません。また、「マイノート」からコピーすることもできません。これは、著作権を守るための設定と考えられます。
しかし、このAmazon Kindleでは、ハイライトとメモはブラウザに表示されるため、「個人利用」の目的のためであれば、コピー・ペースとして利用することができます。これをテキストに書き出してファイル化すれば、ナレッジベースとして検索も可能です。(一部の書籍では、一定数以上の表示や利用が制限されることがあります。)
また、Clippings.ioというサービスを使えば、自動的にデータベース化されたハイライトやメモを使うことができます。Evernoteと連携して、クラウド上のデータベースをさらに便利に使うこともできます。
先ほどの可処分時間の分類の説明で、貯蓄性向には「読書、投資、エキササイズ、資格取得、学習、執筆、個人出版、セミナー、人的交流、知識の整理など」があるとしました。
御覧頂いてお分かりいただけるように、これらはほぼ全て知識に大きく依存しています。知識が将来の収入に関わっているのです。デキる人は、この部分の利用の仕方が違うのです。
4、気がついたことは、すぐにメモしておく
いつでも持ち歩いているスマホを読書に使いはじめると、不思議な事が起こります。
ゲームやソーシャルサービスに講じていた時には、スマホを手にしている時間は、仕事や雑事から離れて「一息入れる」または「夢中になる」といった息抜きの時間でした。これが「考える」や「発想する」時間に変わっていくのです。
メモを取るツールといえば手帳です。カレンダーも兼ねているものが多いですが、最近はスマホでも手帳アプリが増えています。
スマホ読書では、そのままスマホでメモを取るのがおすすめです。読んでいるその場で、同じスマホでその時その場でアイデアを書き込めるからです。
スマホは肌身離さず持ち歩くものです。朝起きてから夜寝るまで、ベッドの中で持ち込んで使う人も少なくありません。ですから、例えば夜中に突然アイデアが浮かんだ時、忘れてしまう前に、すぐさま枕元にあるスマホに書き込めます。
これを癖にすると、気がついた時には読書を初めて、頭に浮かんできたアイデアがドンドンと蓄積されていくるようになります。
スマホの文字入力は苦手という人には、「フリック入力」がおすすめです。ガラケー携帯の時には、同じキーを何度も押して入力したい平仮名を呼び出していました。(これを「トグル」方式と呼びます。)これを平仮名のキーを触ってから上下左右になぞることで選択します。
これを極めることで、パソコンのキーボード並の速さで入力できるようになるといいます。パソコンのキーボード入力を練習した時にはキーボード練習ソフトを使った人は、iOS用の「にゃんこフリック道場」というアプリがあります。
詳しくはヨスさんの「フリック入力が速いよ! スマホの文字入力をフリックでゴリ押しする6つの理由」がとても参考になります。
メモを取るアプリとしてiOSではWriteが便利です。すぐに開いてメモを取れ、日時をファイル名にしてそのまま保存できるので、浮かんできたアイデアが途切れることなく書き込めます。
Dropbox、Google Drive、Evernoteなどとも同期できるため、スマホ、タブレット、パソコンなどどのデバイスからも利用できます。
5、スマホとパソコンとKindle端末をつなげた読書の仕組み
これまでは、紙の本からメモをとる、アイデアを紙のノートにまとめるというワークフローでした。
デキる人のスマホ読書の特徴は、これを全く変えてしまうのではなく、これまでの読書のフローにスマホの読書をうまく組み込んでいる点です。
増えつつあるスマホの時間をうまく読書に切り替えて、これを紙の本の読書のフレームワークに連結しているのです。これであれば、失敗することなく始めることができます。
そして、これまで使い慣れてきた読書のフレームワークを引き継ぎながら、電子書籍がもつメリットを取り込んでいきます。
この結果、いつでも、どこからでも、必要な時に過去に読んだ本の重要な箇所や気づきをスマホだけでなく、パソコンやタブレットからでも取り出すことができようになります。
このようにデキる人のスマホ読書は、「紙から紙へのワークフロー」から「電子から電子へのワークフロー」を実際に試しつつ最適な組み合わせで効果を出しています。
このアプローチの方法については、「デジタル読書のフレームワークとは? 「デジタル読書の技法−アナログ人間が飛躍する知識術」」をご覧ください。
おわりに
スマホの登場で、私たちの文章との関わりは大きく変化しました。そしてAIの登場で、囲碁のプロ棋士との対決から自動運転の自動車まで、ますます私たちの生活が大きく変化しようしています。
また職場では、ますます加速する知識と専門化する仕事など、様々な分野に大量の知識を扱う必要に迫られようになりました。知識の源泉としての本の存在はますます重要です。
しかし紙の本の制約が、紙であるがゆえの読みやすさといった利点を大きく上回るようになってきています。大量で質の高い知識を効率的に読書と同時に処理できるアプローチが必要となってきました。
「スマホ Kindle」の読書はその重要な解決方法の一つだと言えます。
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