Last Updated on 2022年3月21日 by 大山賢太郎
コロナ収束後に求められる読書術 | セカンド・ブレイン(Second Brain)
こにんちは。本の棚の大山です。
4月7日の7都道府県で始まった緊急事態宣言は、その後全国に広まりました。本日から39県で緊急事態の解除が宣言されます。
また、それ以外の都道府県でも近日中の解除が期待されるところです。
医療関係者や社会インフラを支える方々は、この期間も感染リスクの不安の中、日々仕事をしていただきました。本当に感謝です。
この先、緊急事態解除後の活動再開に期待が高まるところです。
しかし、これも毎日が完全に元に戻るというわけではなく、引き続きの感染対策が必要と言われています。
この「コロナ収束後」どんなことが起ころうとしているのでしょうか?
何か大きく世の中が変わってしまうような不安に駆られます。
コロナ収束後、一体世界はどうなってしまうのでしょう?
目次
コロナ収束後の世界はどう変わるか?
新型コロナの世界への爆発的感染のあと、世界は元に戻ることなく、大きく変化すると多くの識者が語り始めています。
最近のニュースでは、原油がマイナス30ドルという価格をつけて話題になりました。電力の取引価格、頻繁に底値の「ほぼ0円」…緊急事態宣言の全国拡大後に「異変」
市場というのはごく希に、一瞬だけ私たちに未来を見せてくれることがあるのですが、今回のマイナス価格というのは、まさにその瞬間だったのかもしれません。
また、電気のスポット価格がゼロに近づいたというのにも驚きました。原油価格マイナスの異常事態から見えた“コロナ後の世界”
関係者の間では、しばらく低調な電力需要が続くとの見方が多い。
原油や電力は社会インフラの根源をなすものです。これまでの大量生産を前提としたインフラと生産が、大きく変わろうとする証なのかもしれません。
ソフトウエアや情報を前提としたオンデマンドの情報処理や開発の世界が今すでに始まっているのです。
つい先日、東京の保健所や役所が都のコロナ感染者の報告が集計ミスで76人増えました。これは、紙のメモを使ったために二重計上や集計が手作業であったためによるものです。
この時代に、紙のメモ書きを都庁にFAXしていたというのです。なんともいやはや・・・。
今回の緊急事態宣言以降のステイホームでは、在宅勤務が半強制的に広がりました。
周りを見渡すと、自宅にパソコンなどの設備を大急ぎで準備して、不慣れなテレビ会議ソフトをやっとのこと操作して参加する会社員が多くいました。
- この遠隔勤務の流れは、今後、出張や勤務だけではなく働き方自体を大きく変えていくかもしれません。
スマホや携帯の新規申し込みやサポートは、店に来ないでWebからお願いしますと録音が流れ、不要不急の来店や電話はお断りです。
- 紙の書類はドンドンとなくなり、対面や電話でのサポートからWebでの処理が増えていくことでしょう。
今まで当然と思われ、私たちが変わることを拒んできた細々とした日常の行動も変わることを強制されているようです。
コロナ収束後には、大きな変化が待ち受けているように感じます。
これまでとは全く違った世界が始まろうとしているのです。
今、自分ができること
しかし、私たちの思考や仕事の仕方が変わっていません。
急速な変化について行けないというのが正直な気持ちです。
では、今するべきこと、今必要なこととは何でしょう?
それは、変化に消極的になり身を任せるのではなく、自ら積極的に行動し自分の中にブレークスルーを起こすことだと考えます。
私たちの仕事の根幹は、それが現場での行動を伴う営業や建築であれ、オフィス内での企画や管理であれ、知識を使ってよりより高い価値を生み出すことです。
これを本の棚のテーマでもある「本を読む」や「読書術」で考えてみます。
本の虫である私たちは、本を読むのが大好きです。
ある意味、本を読まなければいけないという衝動に駆られているようにも感じます。
本屋さんで目につくのが、あふれかえる読書術の本の数々。
忘れない読書術から始まり、インプットとアウトプット。それに多読や速読など、とにかくより多くの本を効率的に読むことを勧めています。
そして一冊の本が読み終われば、読書サイトのや書評、Amazonのレコメンドなどに勧められるままに次々と本を手にしています。
デジタル時代に必要な本の読み方とは?
私たちは、これに何の疑問も感じていません。
しかし、ここで止まって考えてみてください。
小説など単に楽しむための読書別として、一年前に読んだ本の内容を覚えていますでしょうか。
もう一歩踏み込んでください。
その本のどの箇所に気づきがあり、どのフレーズや自分の気づきのメモを引き出して、それを具体的に実際の仕事や趣味の目的に使えたでしょうか?
どれほど良い本をじっくりと読もうとも、どれほど多くの本をよもうとも、読んでも使えなければ本を読む意味は本当にあるのでしょうか。
これは、私たちが生まれ育った大量生産・大量消費の産物としての習慣だといえなくもありません。
本や情報を売る側は、買い手の「欠乏意識」や「所有欲」を刺激して売り上げを最大化しようとします。そこでは「あなたには知識が足りない」というメッセージを送り続けます。
まだ日本が貧しかった頃、車やテレビを隣が買ったから、うちも買うという衝動や強迫観念からの消費に近いものです。
これは他人に誘導された消費行動です。
今、Amazonや大型書店に行けば何十万冊という本があふれています。さらに、インターネットは情報の洪水となっています。
私たちは情報過多の時代を生きています。情報や知識は必要以上にあふれています。
ただ、そこから本当に価値ある知識を選ぶことができないのです。
読んで得た知識を具体的なアウトプットへつなげる方法を持っていないのであれば、もう一冊読むことに何の意味があるのでしょうか?
この一方で、私たちは今すぐに解決しなければいけない火急の問題に頭を抱え、毎日奮闘しています。
今必要なのは、読んで得た知識を目の前にある問題や仕事に使えるようにする技術です。
言い換えれば、読んだ本の内容を自分の知識として消化し、自分自身の成果物として価値を高めたアウトプットまで結びつけるまでのシンプルで使える方法とプロセスです。
コロナ収束後に求められる読書術
コロナ収束後に求められる読書術とは、一体、どんなものなのでしょう?
これまで、多くの読書術が世に出されました。
私自身、めぼしい読書術はすべて読破してきたつもりです。
しかし、電子書籍やインターネットのデジタル情報を効果的に読書ノートにまとめ、すぐに取り出して今ある問題解決やプロジェクトに使えるようにする具体的な方法はどこにも見つかりませんでした。
もちろん、紙の本で読書をすることも多くあります。
ただ、今回のコロナ感染の緊急事態では、外出もままならず書店に行くことも気が引けます。
さらに、たよりの近くの図書館は4月7日の緊急事態宣言後、一ヶ月以上も閉鎖されたままです。本を新規貸し出しすることも、返却するこさえもできない状況が継続しています。
この緊急事態が終わり図書館が再開したとしても、借りた本で紙の読書ノートを手書きで作っていては、急速に変化する時代には絶対について行けません。
遠隔勤務やテレビ会議など、デジタルの便利さを最大限に活用した仕事の仕方が改めて見直されています。
読書やWebから得た知識を最速で後から使えるようにまとめ、瞬時に引き出すデジタル時代の読書術が求められているのです。
では、このデジタルな読書と知識の活用方法とは一体どのようなものでしょうか?
それには、知識を集め再生可能にして成果に結びつけるための仕組みとプロセスが必要です。これは、二つのフェーズに分けることができます。
- フェーズ1: 情報を取捨選択し、重要な部分のみに凝縮していつでも使えるように保存する
- フェーズ2: ジャスト・イン・タイムで必要な知識のパーツを引き出し、プロジェクトや仕事の必要に応じてアウトプットする
フェーズ1はパーソナル・ナレッジ・マネジメント(KPM)という手法とつながります。
また、フェーズ2はGetting Things Done(GTD)というディビッド・アレン氏が提唱する日常のタスク管理手法をつなげ、さらにプロジェクトを通じた成果へと結びつけることができます。
そして今、世界中のナレッジワーカーに注目されているのがこれらを連携させるBuilding a Second Brain(BASB )というアプローチです。
すでに、米国インテリジェンスや軍事情報局でも活用され、スタンフォード大学でも教材 Hacking4Defense (H4D) として選ばれています。 Second Brain Case Study: Progressive Summarization in the Intelligence Community
第二の脳(セカンド・ブレイン)を手に入れる意味
これまでの読書術の多くは、いかに多くの本を読みそれを理解し記憶することを前提にしていました。
しかし、人間の脳の記憶力には限界があります。あまりにも大量の情報や知識を詰め込めば、異常を起こすことになります。
例えば、人間の脳とコンピュータはよく比較される対象です。
お恥ずかしい話なのですが、ここ数年で私は2台のパソコンをクラッシュさせました。
仕事に熱中するあまり、一度に大量のブラウザ画面、アプリケーション、エクセルのシートを立ち上げて強制的にパソコンを酷使したのです。
すると、冷却ファンがうなり始めました。それでも、外付けの冷却ファンを取り付けてドンドンと進めていくと、ある時ついに「プツッ」と音がして、ハードディスクが動かなくなりました。再起動しても立ち上がりません。
人間の脳もこれに似ています。いくら優秀な脳であっても、メモリや記憶できる能力には限りがあります。
であれば、読んだ本の重要な箇所を後からいつでも取り出せるような知識データベースを第二の脳として持つことができないでしょうか。
これは、これまでの知識管理やタスク管理をさらにレベルアップさせ、知識の収集、要約管理に加え、知識を活用した個人向けプロジェクトの管理まで一気通貫したものです。
そして、「第二の脳(セカンド・ブレイン)」と呼ばれるデジタル・ブレインを活用して、知識をいかに取得し、整理し、アイデアへ、そしてアウトプットへとつなげていくかという一連のプロセスが実現できるのです。
具体的には、これまでに読んだすべての本の気づき、重要なポイント、要約がいつでも手に届くところにあるという理想的な状態がスマホやパソコンで手に入ります。
これにより、つぎのように成果に結びつける読書が手に入ります。
- 本の最も重要な箇所と要約が外部脳に保存され、いつでも使える
- 第二の脳(セカンド・ブレイン)から必要な知識を必要ときにスピーディーに取り出して第一の脳(人間の脳)で使える
つまり、自分が読んだ本の「デジタル読書ノート」を通して、いわゆる全自動化された「デジタルブレイン」あるいは「第二の脳」を自分自身の「第一の脳」の外側に持つことができるのです。
この第二の脳は、ブログや記事、あるいは本の執筆、仕事のプレゼンテーションや企画書、研究論文など、あらゆる知識を使う仕事に使うことができます。
この結果、第一の脳(人間の脳)は、過酷な知識の記憶や処理から解放され、クリアなマインドで生産的な創作活動に専念できます。
最後に
何か少し難しいような印象を持たれたかもしれません。
でも、これは本を読んで読書ノートを作るというところから始めれば、比較的シンプルで簡単に進めることができます。
これにより、あなたの読書術のブレークスルーを起こすことができるのです。
この後から、第二の脳(セカンド・ブレイン)の基本的な考え方や進め方について配信していく予定です。
このコロナ収束後難しい時期、大山と一緒に次のレベルへ駆け上がろうではありませんか。
この後からは第二の脳(セカンド・ブレイン)について、noteと呼ばれる大山賢太郎の個人出版のサイト、本の棚サイト、Twitterを通じて配信していきます。
配信を希望の方は、それぞれのサイトからフォローをお願いします。
また、ご質問、コメントをこのメールに対する返信でお待ちしています。
必ず返信できるとは限りませんが、すべてのコメントには目を通しています。
それでは、コロナ収束に備え、着々と準備を進めていきましょう!
本の棚
大山賢太郎
追伸:
2つ目のパソコンがクラッシュした後は、外付けのハードディスクから起動して、同じパソコンを酷使せずに使っています。
参考記事
sei さんのコメント:
はじめまして
キンドル本、こちらのサイト共に
有益な情報ありがとうございます。
勉強させていただいております。
キンドルを使ってアウトプットを意識した読書に
取り組んでいるところです。
参考にさせていただいております。
一点どうしてもわからないところがあり、
ご存知でしたらお教えいただけないでしょうか?
Readwise関してですが、日本のアマゾンアカウントでは
使用できないようで、使えない状況です。
以前はアカウントの統合というのができたようですが、
今はできないようです。
Readwiseを使われているというのを拝見しましたが、
どのように使われているのでしょうか?
お時間あるときにお返事いただけると嬉しいです。
大山賢太郎 さんのコメント:
seiさま、コメントありがとうございます。Readwiseですが、これまでに何度か日本のサービスを追加する予定があるかどうか連絡をしてきております。最初はまったくアメリカ以外のサービスに関心がなかったのですが、その後、度々のリクエストで海外のサイトは追加されてきているようです。しかしながら、日本についてはなにか難しい技術的な問題があるとのことで、サービス開始になっていないという回答がありました。今回、この機会をいただきましたので、もう一度確認の連絡を入れてみるつもりです。少々お待ちください。Readwiseの詳しい使い方につきましては、この後からアップデートしていくつもりです。大山