電子書籍を快適で楽しく読む方法: 第1回電子書籍とは？

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Last Updated on 2018年10月30日 by 大山賢太郎

「電子書籍を快適で楽しく読む方法」シリーズは、今回も含めて6回シリーズで始まったばかりの電子書籍の世界の楽しみ方を解説していきます。今回はその1回目、電子書籍とは一体何なのかをお届けします。

電子書籍とは？全く新しい本の形がみんなの読書を楽しくする

インターネット上には様々な情報が氾濫しています。このなかから価値の高い自分に合った情報や知恵を探しだして利用するのは、ますます難しくなっています。電子書籍とは、これを予め決まったテーマや目的でパッケージにして読者に提供するものです。必ずしも、これまでの紙の本をスキャンしたりテキストや画像をデジタル化したものとは限りません。

人が持つ情報や知恵は、大昔であれば人から人へ直接物語や教会などの集会で伝えられたり、もっと昔であれば洞窟に描かれた絵や石に文字を書いて伝えられました。あるいは、部族や家族の長が語り部となったり、昔話として伝承されたりもしました。中世になって、紙と印刷の技術がこれに革命を起こしました。情報と知識の大量生産と流通が始まったからです。その後の世界の歴史を大きく塗り替える役割を果たしたとも言えます。

インターネットが変えた本の形

もちろん、皆さんもご存知のとおり、これにさらに革命を起こしたのがインターネットです。それまで、手紙や電話、せいぜいファックスしかなかった個人間の連絡が、あるいはラジオやテレビ・新聞など大企業だけが自由に使えたマスメディアといった大企業など一部の方法や人の手に限定されていました。これがインターネットの普及で、メールやライン、ブログやソーシャルメディアサイトなどの方法で上でだれでもが自由に世界中に発信し、同時に世界中の情報を手に入れることができるようになりました。

ところがここで困ったことが起こりました。それは、溢れでた情報のために自分がほんとうに欲しい情報や目的に合った情報を選別できないほどに増えてしまったのです。これを情報を手に入れたい人の目的や嗜好に合ったようにパック詰めしたのが電子書籍なのです。

電子書籍のグローバルスタンダードとなった電子書籍出版フォーラム (International Digital Publishing Forum, IDPF) は、日本でも採用されたEPUB 3という最新の電子書籍の世界標準形式を「箱に入ったウェブサイト」（website in a box）と表現しています。これは少し前のワードやエクセルなどのソフトウエアがCDやDVDを箱に入れて販売していたのとは違います。インターネット上で可能なことは、ほとんど全て最新の電子書籍では可能だということです。これには、動画、アニメーション、音楽、音声、あるいはゲームなども含まれます。

電子書籍の将来

これまで、洞窟や石版、あるいは紙と印刷技術に限られていたものが、デジタル化されて画像や音声を表現できるものであれば、どんなものでも電子書籍を開いて読んだり楽しんだりできるようになったのです。紙はそれを表示する一つの方法でしかありません。書籍の全く新しい形が始まったのです。今はその黎明期に入ったばかりです。今後、電子書籍がどのように進化していくのか、ほんとうに楽しみです。

数年前に日本でも黒船襲来とか、紙の本を中心とした出版業界では大変な騒ぎになっていました。アマゾン、アップル、グーグルといったアメリカ企業が日本の電子書籍市場にも参入してきたからです。日本語という特殊事情もグローバルスタンダートの採用で一段落。今、怒涛のように電子出版が拡大しています。

当初、少なすぎると言われていた出版数もドンドンと改善されてきています。いつでもどこでも、紙の本よりも安く本を読むことができる。それが現実味を帯びてきました。アマゾンのキンドル、楽天のKoboなどは毎日のようにテレビやインターネット上で大々的なプロモーションをしています。今後、読書に対する考え方や接し方が大きく変わっていく予感がします。

全く新しい読書ライフがやってくる

でも、身の回りを見てみると、「電子書籍って何？」「なんか難しそう」「よくわからない」「やっぱり紙の本じゃないとね」という感想が一般的です。この一方で、キンドルの電子書籍端末を購入した人の感想をよく見てみると、それまでの読書に対する認識が一変して、若い時の読書をはるかに凌駕するほどの快適で楽しい読書ライフを楽しんでいる人が益々増えているのも事実です。

この「電子書籍を快適で楽しく読む方法」シリーズでは、この後の人生を変えるほどのワクワクドキドキするような、全く新しい読書ライフを体験していただくための基礎知識を、以下の通り6回シリーズでお届けしていきます。

次回、第2回目は「紙の本の電子書籍はどう違うか？　紙の本と電子書籍との比較」です。お楽しみに。